全ト協、新・環境基本行動計画
全日本トラック協会は2014(平成26)年12月25日、新・環境基本行動計画を策定しました。最初の計画策定から10年以上が経過し、地球温暖化問題への対応をはじめ、トラック運送業界を取り巻く社会情勢や環境の変化などに的確に対応するため、新計画を策定したものです。
計画は、10の地球環境対策と対策ごとの基本指針で構成されており、具体的には①エコドライブの普及促進、②アイドリング・ストップの徹底、③先進環境対応車の導入促進、④輸送効率化の推進、⑤騒音の低減、⑥廃棄物の適正処理およびリサイクルの推進、⑦環境啓発活動の推進、⑧国などへの協力要請、⑨カーボン・オフセットの活用、⑩関係行政機関および団体との協調――を掲げました。
エコカー減税、燃費要件引き上げ
2015(平成27)年度税制改正大綱では、トラック・バスに対するエコカー減税が、燃費基準に関する要件を厳しくした上で、免税および減税対象の区分について、従来の3区分から4区分に軽減区分を拡大して継続されました。
車両総重量2.5トン超のトラックの場合、自動車取得税・同重量税の免税・非課税対象は、2015年度燃費基準の「10%超過達成」から「15%超過達成」に引き上げられました。また自動車取得税80%・60%軽減および同重量税75%・50%軽減の減税対象についても、それぞれ燃費基準の達成度が厳しくなります。その一方で減税区分を拡大し、これまでの3区分に加え、新たに自動車取得税40%軽減および同重量税25%軽減の対象区分が設けられました。
先進安全自動車(ASV)技術に対する特例も、対象を拡充した上で延長されました。従来は衝突被害軽減ブレーキを装着した車両が対象でしたが、対象装置として車両安定性制御装置を加え、対象車両に車両総重量3.5トン超8トン以下のトラックと、同5トン以下のバスを追加しました。
どちらか1装置のみ装着の場合、自動車取得税が取得価額から350万円控除、同重量税が初回のみ50%軽減されます。2つの装置を装着している場合、自動車取得税が取得価額から525万円控除、同重量税は初回のみ75%軽減されます。自動車取得税の特例は2年間(消費税率10%への増税まで)、同重量税は3年間延長されました。
エネ特活用の環境関連補助に60億円
エネルギー対策特別会計によるトラック事業向けの環境対策関連補助金が、2015(平成27)年度も実施されます。地球温暖化対策税還付の代替措置で、予算額は前年度並みの国土交通省・環境省連携分30億円、国交省・経済産業省連携分30億円の計60億円です。
環境省との連携分は、先進環境対応型ディーゼルトラックを購入した中小企業に対する補助です。2004(平成16)年以前に新規登録されたトラックを永久抹消登録し、環境対応車に買い換えた場合、1社当たり10台分を上限に、大型車は1台当たり100万円、中型車は70万円、小型車は40万円を補助します。
経産省との連携分は、デジタルタコグラフなどの補助に約20億円、車両購入補助に約10億円が割り当てられました。デジタコなどの補助では、ドライバーのエコドライブ運行を評価・ランク付けし、運転者評価制度を構築する取り組みを支援します。また車両購入補助は、旧型DPF装着車である新長期規制車からポスト新長期規制適合車への代替を促進することが目的です。