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年頭所感

 明けましておめでとうございます。会員事業者の皆様をはじめ関係各位には、平素から格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。令和5年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年は、世界情勢に大きな影響を与える衝撃的な出来事が起こった年となりました。
 海外では、年初にロシアがウクライナに軍事侵攻して多くの尊い命が失われ、現在も戦闘が続いています。国内では、夏の参議院選の応援演説中に安倍元首相が凶弾に倒れるというショッキングな事件が発生しました。一方で、昨年末にカタールで開催されたサッカーワールドカップでは、日本代表チームが強豪国に相次いで勝利し、国中が歓喜に沸くといった明るい話題もありました。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症は依然として予断を許さない状況にあり、現在も感染対策が必須となっております。そのような中でも感染リスクを抱えながら働かれております「エッセンシャルワーカー」であるドライバーをはじめとしたトラック運送従事者の皆様に敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。

 トラック運送事業は、生活と経済のライフラインとして、都民生活や産業活動の維持・発展に欠くことのできないものです。新型コロナウイルス感染症によって私たちの生活様式や国内外の産業構造が大きく変化した今、その存在価値と重要性は一層高まっています。その一方で、トラック運送業界は多くの課題に直面しております。

 昨今の世界情勢不安を契機とした燃料価格の高騰やその後の物価高は、コロナ禍で苦境に立たされたトラック運送事業者の経営をさらに圧迫し、事業の存続が危ぶまれる事態となっています。
 また、令和2年4月に告示された「標準的な運賃」は、安定した事業経営と持続可能なトラック輸送のための土台となるものですが、告示が新型コロナウイルス感染拡大の時期と重なったこともあり、事業者による活用や荷主への浸透は未だ十分とは言えません。

 さらには、慢性的な労働力不足や少量・多品種・多頻度輸送の増加などを背景とした長時間労働が懸念されている自動車運転業務に対して現在猶予されている罰則付き時間外労働の上限規制(年960時間)の適用が令和6年4月と目前に迫っています。

 こうした中、東ト協では、「燃料価格高騰対策本部」を設置し、関係団体との連名で「燃料価格高騰に関する自動車運送業界からの要望書」を東京都知事に提出して、燃料費負担の軽減に資する補助制度の創設などの緊急対策の実施を要請したところ、その成果として、東京都において「東京都運輸事業者向け燃料費高騰緊急対策事業支援金」の実施が決まりました。
 東京都内の中小トラック事業者に、都内登録のトラック1台当たり23,000円、軽トラック8,000円が支援金として交付されます。受付は、昨年の12月から本年2月15日までとなっておりますので、会員の皆様はこの期間内に必ず申請をお願いいたします。

 「標準的な運賃」に関しては、会員事業者による届け出と積極的な活用を促進して、適正な運賃・料金が収受できる取引環境の整備を図るとともに、燃料価格の高騰によるコストの上昇分を別建ての運賃として設定する燃料サーチャージ制の導入を支援し、荷主に対して理解と協力を求めてまいります。

 喫緊の課題である時間外労働規制についても、昨年末に改善基準告示が改正されましたことを受け、本年は改正改善基準告示の周知とともに、長時間労働の是正や取引環境の改善など、トラックドライバーの勤務実態の把握と労働時間の厳格な管理を進めつつ、事業者による働きやすい職場づくりを全面的にバックアップする体制を構築してまいります。

 昨年は、新型コロナウイルスの感染抑制と経済活動の両立が図られ、社会生活が活性化したこともあってか、警視庁管内における事業用貨物自動車が関与した死亡事故発生状況は、残念ながら総件数、会員関与、会員の第一当事者件数とも一昨年より大幅に増加してしまいました。 本年は、さらなる交通事故防止の徹底に向けての決意を新たにしているところです。春・秋の全国交通安全運動期間中など、今後も交通安全等に係るイベントでは密となる状況を回避しつつ広報啓発に取り組むとともに貨物輸送の安全のための施策を継続して実施してまいります。

 東ト協では、感染対策を講じたうえで「トラックフェスタTOKYO2022」を3年振りに代々木公園でリアル開催し、グランドオープンの日は悪天候だったにもかかわらず、2日間で1万人を超える来場者がありました。協賛をいただきました企業・団体並びに会員の皆様に改めて感謝いたしますとともに、本年も「トラックフェスタ」を開催いたしますので、引き続きご協力をお願い申し上げます。

 また、会員事業者の都内営業所のトラック運転者を対象に開催している「ドライバー・コンテスト」は、コロナ禍による中止や学科競技のみの実施を経て、昨年は令和になって初めて実科競技を行いました。ドライバーの皆さんが「都民に信頼されるプロドライバー」として、研鑽を積んだ高度な運転技能を真摯に競い合う姿を久しぶりに目にすることができたのは、大きな喜びでありました。

 その他、協会では、政府が進める「2020年カーボンニュートラル宣言」やSDGs、東京都による「ゼロエミッション東京」の実現といった環境問題を事故防止と並ぶ最重要事項と位置付けており、主軸事業のひとつである「グリーン・エコプロジェクト」によるトラックのCO2排出量削減を通じて、引き続き環境保護に貢献していきたいと考えております。

 トラック運送業界には、環境対策、駐車問題、原油価格高騰など、多くの山積する課題がありますが、「物流を止めない」ために、物流の最前線で働くトラックドライバーの労働環境の改善と社会的地位の向上を図り、安全で安心なトラック輸送を実現することが不可欠です。

 本年も、物流の第一線でトラック輸送に携わっておられる会員の皆様と、それぞれの地域の特性に応じた多様な活動を通じて協会の円滑な運営を支える支部と、協会のかじ取りを担う本部が三位一体となり、関係行政機関や関係団体と緊密に連携しながら、都民生活、産業活動を支える公共輸送機関としての使命を果たしてまいります。そして、長時間労働、労働力不足、事故防止対策、標準的な運賃の推進を最重点事項とし、諸課題の一刻も早い解決に向けて取り組んでいきたいと思います。

 会員の皆様におかれましては、業界の更なる発展のため、協会運営の円滑化や、「会員重視の協会」「会員のための協会」の実現に向け、ご理解ご協力と更なるお力添えをお願い申し上げます。

 結びになりますが、関係各位の一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申し上げますとともに、本年の皆々様のご事業のご隆盛とご健勝・ご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 令和5年 元旦 

 一般社団法人 東京都トラック協会
会長   浅井 隆

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