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年頭所感

会長 浅井 隆

 明けましておめでとうございます。会員事業者の皆様をはじめ関係各位には、平素から格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。令和4年の新春を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。

 さて、昨年は、新型コロナウイルス感染症への対応対策と経済活動の再開に向けた動きが感じられた年となりました。
 また、スポーツ界では日本人選手が躍進し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で多くのメダルを獲得したほか、マスターズゴルフのメジャー制覇や大リーグでの二刀流による満票でのMVP受賞などの活躍がありました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の新たな変異株(オミクロン株)が世界で確認されるなど第6波が、この冬にも到来する可能性が高いのではないかと専門家も分析しており、依然として感染対策が必須となっております。

 そのような中でも感染リスクを抱えながら働かれております「エッセンシャルワーカー」であるドライバーをはじめとしたトラック運送従事者の皆様に敬意を表するとともに、心から感謝申し上げます。

 トラック運送事業は、生活と経済のライフラインとして、都民生活や産業活動に不可欠な存在であり、いかなる環境下においてもひとときも公共的物流サービスを止めることは許されず、地震や大型台風などの自然災害の際には、トラックの機動力を発揮して必要な救援物資を被災地に緊急輸送するなど、公共的な役割も担っております。

 一方で、昨年、政府による新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「緊急事態宣言」が繰り返されたことにより、中小企業が大半を占めるトラック運送業界の事業運営に深刻な影響が及びました。そのため、東ト協では、各種支援策に関する情報提供や独自の利子補給を行うなど感染症対応に注力し、コロナ禍での業界課題の克服に向けて、会員サポート施策を積極的に推進してまいりました。

 また、コロナ禍において都民生活や経済活動を支える「エッセンシャルワーカー」であるトラックドライバーをワクチン優先接種の対象に加えるよう東京都に要望しておりましたところ、人と直接接する機会が多い業種の従事者として位置付けられ、昨年8月に優先接種が実現いたしました。本年に予定されている3回目のワクチン接種についても同様の対応を要望しております。

 昨今の異常気象による自然災害の発生など、世界的な気候変動問題を踏まえ、政府による脱炭素社会に向けての「2050年カーボンニュートラル」宣言や、東京都による「ゼロエミッション東京」の実現などの諸施策が打ち出されています。国民や荷主企業が注目しているこうした問題について、業界としても率先して対策を講じていくべきと考え、当協会のグリーン・エコプロジェクト事業を中心に据えた上で、新たなCO2削減対策としてAI技術を活用した物流DX(デジタルトランスフォーメーション)や、持続可能な社会の実現に向けたSDGs(エス・ディー・ジーズ)達成への取り組みを推進するとともに、大規模災害対策のBCP(事業継続計画)体制強化を図ってまいります。

 新型コロナウイルスの収束の見通しが立たず、予定していた各種行事の実施が困難を極める中、昨年の「トラックフェスタTOKYO2021」はオンライン配信という新たな取り組みに挑戦しましたところ、多くの方に視聴していただきました。
今後も交通安全等に係るイベントでは密となる状況を回避しつつ、制約の多い状況下ではありますが、継続して実施してまいります。

 また、昨年中の全国の第1当事者死亡事故の発生状況は、事業用トラックのみが前年を上回るなど大変厳しい状況にあり、さらに飲酒運転による事故も未だ頻発しています。
 この様なことから、昨年は、飲酒運転を根絶するべく飲酒運転撲滅セミナーを開催するとともに、点呼執行場所に掲出するよう「飲酒運転撲滅運動中」のミニのぼりを作成、全会員に配布し、運動を展開しているところです。
 一方、ここにきての燃料高騰は、我々運送業界の経営に大きな打撃を与えています。また、これに追随するように、尿素水(アドブルー)の品薄や価格高騰等、我々運送業界に影響を及ぼす事態が今しばらくは続く気配もあり、物流が止まることの無いよう関係先に要望してまいります。

 さらに、コロナ禍での急速なデジタル化の進展に合わせて、ホームページやFacebookなどを活用した各種情報発信をはじめ、会議やセミナーのWeb開催などの環境整備にも引き続き取り組んでまいります。

 「エッセンシャルワーカー」であるトラックドライバーは、その労働条件が全産業平均より低い水準にあることなどを要因として、慢性的な不足状態にあります。物流が継続的にその機能を果たしていくためには、長時間労働の改善や物流の生産性の向上とともに、新規労働力の安定的な確保が必要であり、その原資となる適正な運賃・料金の収受が欠かせません。

 令和6年度から実施される年960時間(月平均80時間)以内の上限規制の適用まで残り2年となります。
 労働生産性の向上や長時間労働の改善のためには、国土交通省が告示した「標準的な運賃」を活用して適正運賃・料金を収受できる取引環境作りが不可欠であることから、支部及び本部による「標準的な運賃」勉強会のほか、原価計算に必要な根拠の算出方法のセミナーを開催するなど、「標準的な運賃」を業界内外に浸透させていくことが、持続可能な物流事業の経営安定化の手段になると考えております。
 トラックドライバーの労働条件を改善し、トラック運送業がその機能を持続的に維持するための参考となる運賃を示すことが効果的であるとの趣旨により「標準的な運賃」が設けられましたので、引き続き「標準的な運賃」の推進に積極的に取り組んでまいります。

 本年も新型コロナウイルス感染症関連の対策と「標準的な運賃」の推進を最重点事項とし、労働力不足、長時間労働、事故防止対策、環境対策、駐車問題、原油価格高騰など、多くの山積する課題の克服を目指してまいります。業界の更なる発展のため、協会運営を円滑に行い、「会員重視の協会」、「会員のための協会」の実現に取り組みますので、会員の皆様のご理解とご協力、更なるお力添えをお願い申し上げます。

 結びになりますが、関係各位の一層のご支援・ご指導を賜りますようお願い申し上げますとともに、本年の皆々様のご事業のご隆盛とご健勝・ご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 令和4年 元旦 

 一般社団法人 東京都トラック協会
会長   浅井 隆

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