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2021:新型コロナウイルス感染症が社会・経済を直撃

感染拡大で3回の「緊急事態宣言」

 新型コロナウイルス感染症が依然として世界中でまん延しており、ワクチン接種が進んだ一部の国では新規感染者が減少するなど収束の兆しが出ていますが、日本ではいまだ収束の見通しが立っていない状況です。
 日本で最初に感染者が確認されたのは2020(令和2)年1月下旬ですが、それ以降、感染者数が減少したものの再び感染が拡大し、これに伴い政府は「緊急事態宣言」の発令と解除を繰り返してきました。2020年4月に1回目、2021(令和3)年1月に2回目、続いて同年4月に3回目の「緊急事態宣言」を発令し、緊急事態措置として手洗い・うがい・アルコール消毒や「3密」回避、不要不急の外出自粛、飲食店などに対する休業要請、テレワークなどによる出勤者の抑制といった対策を実施しました。
 この間、東京都では感染対策の徹底に取り組み、2020年5月には「新型コロナウイルスを乗り越えるためのロードマップ~『新しい日常』が定着した社会の構築に向けて~」を公表し、感染状況が一定の指標を超えた場合は「東京アラート」を発して都民に警戒を呼びかける取り組みなども実施しました。なお、同年7月に開幕する予定だった東京オリンピック・パラリンピック競技大会は1年延期が決定されました。

政府「緊急経済対策」で各種支援策~雇調金特例措置や実質無利子貸付

 政府は2020(令和2)年4月、最初の「緊急事態宣言」にあわせて「緊急経済対策」を策定し、必要な対策経費を計上した補正予算案を成立させた後、中小企業・小規模事業者などに対する各種支援策を実施しました。
 まず雇用の維持対策として、雇用調整助成金の特例措置を講じ、感染症の雇用面への影響が深刻化する中で、1日当たりの支給上限額を1万5,000円に引き上げるとともに、助成率も要件に応じて10分の10とするなど、特例措置の拡充を図りました。資金繰り対策としては、政府系金融機関で利子補給を組み合わせた実質無利子・無担保融資とその十分な融資枠の確保に加え、地方公共団体の制度融資を活用し、民間金融機関でも同様な実質無利子・無担保融資ができる制度なども創設しました。また、事業継続に困っている中小企業・小規模事業者などを対象とした「持続化給付金」を創設したほか、「事業再構築補助金」などによる支援策も講じています。
 税制措置に関しては、国税・地方税や社会保険料の納税・納付猶予、償却資産や事業用家屋に係る固定資産税、都市計画税の軽減措置などを講じました。

経済活動の停滞で輸送需要が低迷

 新型コロナウイルス感染症は経済活動に大きく影響し、内閣府発表の国内総生産(GDP、速報値)によると、最初の「緊急事態宣言」が発令された2020(令和2)年4~6月期の実質GDPは年率換算27.8%減と、戦後最大の落ち込みとなりました。その後、2回目の「緊急事態宣言」発令により、2021(令和3)年1~3月期は年率換算5.1%減と3四半期ぶりにマイナス成長に転じました。
 経済活動の停滞に伴い、トラック運送業界では輸送量および営業収益が減少し、2020(令和2)年度は極めて厳しい事業環境となりました。国土交通省が実施してる所管業界への影響調査によると、トラック運送業界では、2020年5月
時点で運送収入が前年同月比20%以上減少した割合は29%と3割近くに及びました。その後、回復に向かいましたが、2021年に入り、2度目の「緊急事態宣言」発令の影響により、同年1月は14%、2月は15%、3月は14%、4月も14%と再びやや悪化の傾向にあり、5月以降も予断を許さない状況が続いています。
 また全日本トラック協会の「トラック運送業界の景況感」調査では、2021年1~3月期の景況感の判断指標はマイナス41.0で前回調査(2020年10~12月期)より24.3ポイント改善しましたが、それまでの落ち込みに伴う反動の側面が強いようです。いわゆる「巣ごもり需要」の拡大などにより、宅配貨物は堅調に推移していますが、一般貨物などの荷動きが懸念されるところです。4~6月期見通しでは景況感がやや悪化に転じる見通しとなっています。

感染リスクの中で輸送継続 ~「エッセンシャルワーカー」の役割遂行

 政府の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」による提言や、国土交通省による指導などを受け、全日本トラック協会では「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」、および「感染予防対策マニュアル」を策定し、感染防止に努めました。事業者が講ずべき対策として、経営トップが率先して感染防止のための体制を整備すること、朝夕2回の検温、運行管理者と運転者の間のアクリル板や透明ビニールカーテンなどによる遮断や、感染が確認された場合の措置などを示したものです。
 一方、感染への不安にかられた人が運転者に心ない言葉を浴びせる問題なども生じましたが、一般的な世論としては感染リスクがある中で輸送業務を維持・継続し、社会・経済活動を支える重要な役割を果たしていることがクローズアップされ、トラック運転者は医療関係や公共交通機関などとともに社会に必要不可欠な「エッセンシャルワーカー」と評価されました。

運行管理者試験コロナ禍を契機にCBT方式へ移行

 運行管理者試験センターは2021(令和3)年4月、同年度以降の試験についてコンピューター使用によるCBT試験方式に全面的に移行すると発表しました。新型感染症対策と、それに伴う対策費用の増大などにより、従来方式では実施が難しい状況となったためです。
 2020(令和2)年度第2回試験から、筆記試験と併用でCBT試験を行い、特に大きな問題がないことから、2021年度以降、筆記試験を廃止し、全面的にCBT試験に移行することにしました。

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