浅井新会長が就任、新執行部が発足
東京都トラック協会は2018(平成30)年6月 22日、同年度の通常総会・第2回理事会を開催し、任期満了に伴う役員の改選を行い、新会長に浅井隆氏(浅井代表取締役)が就任しました。なお、浅井氏は、2008(平成20)年から2016(平成 28)年まで4期8年にわたり副会長を歴任し、その後、常任理事を務めていました。
副会長には水野功・原玲子・佐藤雄平・岸澤武春・青柳保之・鎮目隆雄・内宮昌利・飯田勇一・森本勝也・原島藤壽各氏が就任し、副会長10氏のうち7氏が新任という、刷新した執行部体制が発足しました。
東ト協では役員改選期を迎え、会長候補者選出管理委員会を設置し、同年4月11日から25日まで会長候補者推薦届の受付を行いました。その 結果、会長の推薦候補者が複数となったことに伴い、同年5月30日に開催した第1回理事会で、出席理事による投票を行い、会長候補者に浅井氏を選出しました。これを受けて、通常総会で2018・ 2019年度の理事・監事を選任した上で、総会後に新任理事による理事会を開催し、正式に浅井氏を会長に選定したものです。
浅井会長は通常総会後の懇親会で就任のあいさつを行い、今後の協会運営に当たっての方針を表明しました。業界では現在、労働力不足への対応や働き方改革の推進、さらには適正運賃・料金収受への取り組みなどが求められていることから、浅井会長は、これら課題の改善・解決に向けて「〝会員をサポートするための協会〟として全力を尽くす」と述べ、これまで以上に取り組みを強化していく方針を示しました。
交通安全活動を積極的に展開
東京都トラック協会は、2017(平成29)年度も 最重要課題として交通安全活動を推進し、事故防止の徹底に取り組みました。引き続き、春・秋の全国交通安全運動に協会を挙げて取り組み、街頭指導活動の「統一実施日」を設定して交通安全活動を展開しました。また同年9月に実施された秋の交通安全運動では、警視庁交通部が初の試みとして行った官民合同の出動式にも参加しました。さらに2016(平成28)年度に続き、春・ 秋の交通安全運動期間中に、屋外大型ビジョンで交通安全の啓発映像を放映し、広く一般都民に事故防止などを呼びかけました。
こうした活動に加え、各支部で安全運転講習会や事故防止大会などを実施しているほか、子供たちを交通事故から守る社会貢献活動の一環として、地域の小学校で交通安全教室も実施しています。
さらに、交通安全意識の高揚などを図ることを目的として毎年、警視庁交通部主催の「セーフティドライバー・コンテスト」(SDコンテスト)に積極的に参加しています。SDコンテストは会員事業者から5人1チームで参加し、輸送業務はもちろん私用での運転を含めて、半年間にわたって無事故・無違反を競うものです。コンテストへの参加が安全意識の高揚に役立つことから、東ト協では参加費用(運転記録証明書交付料)を助成し、参加促進を図っています。
2017年度のコンテストには、会員事業者から3,276チーム(1万6,380人)が参加し、前年度より110チーム多い2,030チームが無事故・無違反を達成しました。達成率は61.1%で前年度よ り3.0ポイント上昇しました。
会員一当死亡事故3件に抑止
東ト協では交通安全対策の一環として、警視庁交通部の協力により、事業用貨物自動車関与の死亡事故について、全会員事業者に対して「トラック事故速報」を送付し、継続的に注意喚起し事故防止に努めています。
こうした取り組み努力の結果、2017年における 会員第一当事者の死亡事故件数(都内発生)は、 前年より半減の3件に抑止しました。「トラック事故速報」の集計によるものですが、これは2011(平成23)年と同数となり、過去最少となりました。
ただ、2017年は6月に救護義務違反に問われる会員一当死亡事故が発生し、東ト協では事態を重く受け止め、同年6月30日付で全会員事業者に対して「法令遵守・安全確保の再徹底について」を通知して注意喚起するとともに、改めて法令遵守などの指導を徹底するよう求めました。
初の「ベストドライバーコンテスト」~運転者に対する安全運転指導を推進へ
東京都トラック協会は2017(平成29)年度の新規事業として、第1回「ベストドライバーコンテスト」を実施しました。運転者に対する安全運転指導・教育の推進などを目的として、東京運輸支局の後援により実施したものです。
同コンテストは、競技コースで行うコンテストとは異なり、日常の運送業務における運転状況について、参加車両にドライブレコーダーを取り付け、運転操作データおよび運転席内と車両前方の映像データを収集し、これを分析・評価するコンテストです。セーフティドライバー・カードの所持者の場合、加点評価となります。
車種別に小型・中型・大型・トレーラの4部門 で行い、第1回コンテストには25支部から計272 人が参加し、安全運転の技能やマナーなどについて評価しました。その評価結果に基づき、運転者個人および所属の事業者・支部の表彰を行いました。
同コンテストの表彰式(写真)は、同年11月11日 に開催した「セーフティ・アワード2017」で、警視庁交通部主催の「セーフティドライバー・コンテスト」、および東ト協の「『トラックの日』児童絵画コンテストの各表彰式とともに行いました。
新たに「トラックの日」児童絵画コンテスト
東京都トラック協会は2017(平成29)年度の新規事業として、東京運輸支局の後援により「『トラックの日』児童絵画コンテスト」を実施しました。トラック運送事業が社会との共生を目指し、交通事故防止や地球環境保全に努めていることを広く理解してもらう目的で行ったものです。
都内の小学校に在籍する児童を対象に、「安全なトラック」「環境にやさしいトラック」「未来のトラック」の3つをテーマとした作品を募集し、237作品の応募がありました。選考の結果、最優秀賞(東ト協会長賞/1点)をはじめ、優秀賞(東運支局長賞/高・中・低学年の合計9点)、佳作(10点)の各表彰を行いました。表彰式は、同年11月に開催した「セーフティ・アワード2017」で行いました。
同コンテストの入賞作品は、東京都トラック総 合会館1階ロビーに展示したほか、会員事業者の車両を入賞作品でラッピングし、交通安全や環境保全の呼びかけに活用しています。
「トラックフェスタ」開催へ
東京都トラック協会は2018(平成30)年9月 22・23日、渋谷区の「代々木公園」野外ステージ・イベント広場で、「トラックフェスタ TOKYO 2018 ~親子で体験!安全と環境」を開催します。これに伴い同年2月28日、第1回「フェスタ実行プロジェクト」会議を開催し、フェスタ開催に向けたプロジェクトを立ち上げました。同プロジェクトのもとにはワーキング・グループを設置し、具体的な開催内容の検討と準備を進めています。
東ト協では、2016(平成28)年10月に創立50周年記念事業の一環として、都民参加・外部発信型の「トラックフェスタ TOKYO 2016」を開催しました。2017(平成29)年度は、今後のフェスタ開催に向けた検討・準備期間として、同年8月に「トラックフェスタ検討プロジェクト」会議を設置し、前年度に開催したフェスタの実施結果を検証するとともに、今後の対応について検討を行いました。その結果などを踏まえ、2年ぶりに開催することにしました。 基本的には、前回と同様、トラック輸送の役割や東ト協の交通安全・環境保全の取り組み、災害 時の緊急輸送などを社会に発信・アピールするイベントとして、全25支部が参加・運営協力する東ト協を挙げての一大イベントとする方針です。
「荷主とのパートナーシップ構築セミナー」~標準運送約款改正を契機に適正収受へ
東京都トラック協会は2017(平成29)年11月2 日、「トラック事業者と荷主とのパートナーシップ構築セミナー~トラック運送業における適正取引の推進について」を開催しました。国土交通省がトラック運賃・料金の適正収受方策として、「標準貨物自動車運送約款」などを改正し、同年11月4日から施行しましたが、これを契機に長年の課題である運賃・料金の適正収受を推進する取り組みの一環として開催したものです。
セミナーは、国土交通省関東運輸局・東京運輸支局や経済産業省関東経済産業局の関係行政、および東京商工会議所の後援により開催したもので、トラック運送事業者に加え、荷主企業・元請事業者などを合わせて約670人が参加しました。
国交省は、標準運送約款の改正により、運賃と料金を別立てで収受すべきことを明確にするとともに、運賃以外の諸料金について、荷主都合の荷待ちに対する車両留置料や荷役作業などに対する附帯作業料などに関する規定を整備し、新たな収受ルールを実施しました。ただ、その実効性を確保するためには、新たな収受ルールに対する 荷主業界などの理解と協力が必要になることから、荷主企業や元請事業者などを対象としたセミナーを開催したものです。
掲示用の改正「標準運送約款」など配布
東ト協は2017年10月、標準運送約款改正への対応として、全会員事業者に対して備え付け用と掲示用の改正約款を無料で配布しました。あわせて改正約款の施行に伴い、運賃・料金の変更届出など、各事業者が行う必要がある所定の手続きを適切に行うよう呼びかけました。
適正取引へ関係行政が要請文書~東ト協の要請などを受けて発出
国土交通省関東運輸局・厚生労働省関東各都県労働局・経済産業省関東経済産業局・公正取引委員会事務総局経済取引局は、2018(平成 30)年3月16日付で関東1都7県の運送委託企業(荷主企業など)に対し、連名で「トラック運送事業者との適正取引及び労働時間のルールへの御理解と御協力のお願い」と題する要請文書を発出しました。これは、東京都トラック協会をはじめ 関東各県トラック協会の要請を受け、適正取引の推進の観点から発出したものです。
要請文書は、政府主導により、トラック運送業界における長時間労働の是正と、そのために必要な運送取引の改善に向けた取り組みが進められ、また標準貨物自動車運送約款の改正などにより、新たな運賃・料金収受ルールが導入されたことなどを踏まえ、荷主業界に理解と協力を呼びかけたものです。要請文書には、適正な運送取引の推進や荷主勧告制度の運用改正、新たな運賃・料金収受ルールに関するリーフレットなどを添付し、適切な対応を要請しました。
東ト協など関東各都県ト協は、こうした関係行政による対応を受けて、引き続き連携して運賃・ 料金の適正収受をはじめ運送取引の適正化に取り組んでいく方針です。
駐車規制見直しへアンケート調査
東京都トラック協会では2017(平成29)年度も引き続き、会員事業者が日常の集配業務で対応に苦労している駐車問題について、物流政策委員会のもとに設置した検討小委員会で今後の対応策などを検討しました。
こうした中で、政府の「自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議」が2017年8月28日、「働き方改革」推進に向けて「直ちに取り組む施策」(63施策)を取りまとめ、この一環として「貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直し」が盛り込まれました。トラック運転者の長時間労働の背景にある問題として、一律的な駐車取り締まりが 要因の一つに挙げられることから、駐車規制見直しの方針を打ち出したものです。
こうした政府の方針を踏まえ、東ト協では駐車取り締まり実態を把握し、駐車規制の見直し・緩和を要望する際の基礎資料とするため、改めて会員事業者を対象にアンケート調査(対象期間1~8月)を実施しました。
その結果、取り締まり件数は249社・378件で、1か月当たり約50件の取り締まりを受けるなど、依然として厳しい状況が続いていることが明らかになりました。また、駐車規制に対する事業者からの意見として、事業用トラックを駐車規制から除外することを求める意見などが出されました。
その後、警察庁は2018(平成30)年2月20日付で、各都道府県警察本部などに対し、交通部長通達「貨物集配中の車両に係る駐車規制の見直しの推進について」を発出し、貨物自動車運送事業者団体などが要望する場所を中心として、早期に規制見直しに取り組むよう求めました。これを受け、東ト協では駐車取り締まり状況に関するアンケート調査結果などを踏まえ、具体的に駐車規制の緩和を求める区間などを要望し、改善に取り組んでいく方針です。
協会改革へ「10の施策」推進
東京都トラック協会は2017(平成29)年度も引き続き、協会改革のための『10の施策』を推進しました。これは「協会運営から協会経営に転換」をはじめとした10項目の施策で、千原武美前会長が2016(平成28)年7月の就任に際して打ち出したものです。その着実な推進を図るため、 各施策について担当委員会・部署と、当面の取り組みや達成時期などを明確化した「行程表」を作成し、これにより進行管理を行いながら推進してきました。
東ト協ではまず、協会改革などにより協会が目指すべき方向を明確にするため、2016年12月に 開催した理事会で、協会の基本理念・基本戦略として、「公共の福祉に寄与」「貨物自動車運送事業の社会的地位の向上」を制定しました。
一方、『10の施策 』のうち「防災・教育研修施設の建設」構想に関しては「教育研修・防災センター特別委員会」、「本部組織の仕組みを変える」改革に関しては「組織整備特別委員会」をそれぞれ設置し、その実現に向けた対応策などを検討しました。また、「会員の増強策の検討」については「会員増強プロジェクト」を設置し、協会への加入促進を図る方策を検討するとともに、機動的に加入促進活動を展開しました。
さらに、東ト協は2017年7月に開催した理事会で、本部職員の賃金規程について承認し制定しました。「本部組織の仕組みを変える」改革施策の一環として、組織整備特別委員会で組織経営の専門コンサルタントを交えて、組織・人事制度および給与体系について検討し、その結果、従来の給与規程や給与体系を見直し、新たな規程を制定したものです。
会員サービスのさらなる向上を図るためには、職員の待遇改善などを進め、これにより職員の士気高揚と組織の活性化を図ることが必要不可欠なことから、新たな規程を整備したものです。同委員会では引き続き、職員の勤務評価制度や本部事務局の組織体制のあり方などについても検討を行いました。
「緊急輸送支援システム再構築」構想が前進~都が30年度予算で調査費を計上
東京都トラック協会では、防災対策の政策提言として「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」構想を取りまとめ、東京都や都議会に要望しました。この政策提言に関しては、2017(平成29)年11月に行われた2018(平成 30)年度の都予算に関する小池百合子都知事による要望ヒアリングで、改めて実現に向けた支援を要請しました。
その骨子は、①都と東ト協は支援物資の供給から管理・緊急輸送までを包括した委託協定を締結する、②広域防災体制の強化のため、集荷・集積に効果的な圏央道(首都圏中央連絡自動車道)周辺に備蓄・保管・配送を一体化した平屋建て集荷集積施設を建設する、③都と関東トラック協会が「災害時における緊急輸送車両の確保のための協定」を締結し、首都直下地震に必要となる多量な緊急車両を広域的に確保する―というものです。
こうした東ト協の政策提言について、小池都知事は都民の安全・安心を確保する上で重要な構想と評価し、支援・協力する姿勢を示しました。その後、同年12月の都議会一般質問で、同構想に関して「今後支援のあり方を検討する」と答弁しました。
さらに、2018年度の都予算編成に当たり、東ト協の政策提言の中核となる広域防災拠点構想、具体的には圏央道周辺における平屋建て集荷集積施設の建設構想に関連して、調査費として新たに1,000万円を計上しました。
都では、震災時に支援物資を迅速かつ確実に被災者に届ける体制の確保が重要として、圏央道などを活用した、災害時にも寄与する広域物流施設の立地や輸送路確保に関する調査を実施することにしたものです。これにより、東ト協の広域防災拠点構想は実現に向けて新たな段階へと踏み出すことになりました。
なお、小池都知事によるヒアリングに先立ち、東ト協は2017年7月に都議会の都民ファーストの会と公明党、続いて同年9月には都議会自民党と民進党に対して、都に対する特別要望書を提出し、広域防災拠点構想などの実現に向けて支援を要請しました。また、同年11月には自民党東京都支部連合会に対し、同様の要望を行いました。
「災害時等の相互応援に関する協定」~関ト協1都7県トラック協会が締結
東京都トラック協会をはじめ関東1都7県のトラック協会は、2017(平成29)年9月8日に開催された関東トラック協会第62回事業者大会で、関東運輸局長を立会人として、「災害時等の相互応援に関する協定」に調印・締結しました。
東ト協の呼びかけにより、近い将来に懸念される首都直下地震など大規模災害の発生に備えて締結したもので、大規模災害の発生時に必要となる救援物資の緊急輸送車両を相互に応援・協力して確保することなどを内容としたものです。こうしたブロック単位の広域的な災害時対応に関する協定締結は全国で初めてのことです。
首都直下地震などが発生した場合には広域的に甚大な被害が生じるものと想定され、その救援活動にはこれまでにないほど多くの緊急輸送車両が必要となります。このため、個別のトラック協会だけでは救援物資の緊急輸送要請に対応することが困難な事態が想定されます。また都内が甚大な被害を受けた場合、都内の事業者自体も深刻な被害を受け、緊急輸送要請に対応できない可能性も考えられます。こうした事態に備え、関東の各トラック協会が相互に応援・協力する広域的な防災体制を構築することにしたものです。
東ト協は、東京都に対して「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」を政策提案し、その実現を要請しましたが、こうした広域的な防災体制の構築は、その中核をなす構想の一環です。
支部補助金を創設し支援強化
東京都トラック協会では、2018(平成30)年度事業計画の最重点施策に「支部の充実支援」を位置付け、各支部に対する支援策を強化する方針です。このため支部補助金(1支部当たり上限100万円)を創設しました。
東ト協の政策提案「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」構想の一環として、災害時におけるソフト面の機能整備を進めるため、支部補助金の創設により、各支部における救援物資の物流コーディネート機能の向上を図ることにしたものです。
災害時に救援物資輸送を円滑かつ迅速に行うためには、専門的なノウハウなどを持つ物流コーディネーターが必要なことから、その育成や各支部における防災協定見直しなどに対する支援を行うことにしたものです。2018年度は、支部公認化後の第2ステージの取り組みとして、こうした支援策を中心として、支部体制の充実に向けた施策を推進する方針です。
「会員増強プロジェクト」を推進
東京都トラック協会は2017(平成29)年の年明けから、未加入事業者の加入促進活動を具体的に展開しました。東ト協の会員事業者数は、業界を取り巻く経営環境の厳しさや都内における事業活動への制約などから、事業の統合・廃業や周辺地域への移転などにより減少傾向にあります。こうした会員数の減少傾向に歯止めをかけるため、2016(平成28)年8月に「会員増強プロジェクト」を設置し、都内の未加入事業者の加入促進に取り組むことにしました。担当委員会の設置ではなく、プロジェクト形式としたのはより機動的に取り組みを展開する狙いからです。
まず同プロジェクトで具体的な対応策について検討し、その結果、東ト協への加入メリットや入会手続きなどを分かりやすく紹介した入会案内のリーフレットを新たに作成し、加入促進活動を展開することにしました。具体的には、2017年1月に取り組みのモデル支部として城東・足立各支部地域の未加入事業者に対し、このリーフレットを送付しました。この後、同年5月と11月、さらに翌2018(平成30)年2月に改めて全支部地域の未加入事業者に送付し、入会を働きかけました。また、協会ホームページにも会員募集のページを設けて入会を呼びかけました。
あわせて関係団体・機関などに協力を要請し、未加入事業者にアプローチする様々な機会やチャネルを活用して入会への働きかけを行いました。具体的には、整備管理者講習や運行管理者講習などの会場や金融相談に対応する金融機関などの窓口にリーフレットの配置を依頼したほか、適正化事業実施機関による新規の巡回指導の際に入会案内を行うなど、様々な取り組みを展開しました。
さらに、新たな試みとして2018年4月から6月までの3か月間、「春の入会金無料キャンペーン」を展開しました。期間中に入会した場合、入会金(5万円)を免除するもので、入会へのインセンティブ措置を講じることにより、加入促進に取り組みました。
人材力支援事業を展開~「東ト協の社会実験」として実施
東京都トラック協会は、マンパワーグループとの「東ト協コンソーシアム」として、東京都の外郭団体「東京しごと財団」から2016(平成28)・2017(平成29)年度の2か年にわたり、「団体課題別 人材力支援事業」を受託・実施し、会員事業者の人材の確保や育成・定着に向けた取り組みを支援しました。トラック運送業界では運転者をはじめとする労働力不足が深刻な経営課題になっていることから、『10の施策 』に掲げる「東ト協の社会実験」として実施したものです。
同事業では、主に中小事業者の人材確保をサポートする各種支援プログラムを用意して実施しました。具体的には、専門のコンサルタントによる人材採用と育成・定着に関する個別コンサルティング(各10社を対象に実施)をはじめ、集合研修(採用支援10回・定着育成20回/写真)、トラック運送業界を紹介・PRするための高等学校・大学への巡回訪問、合同企業説明会とトラック運送業務の仕事体験会(各3回)などを実施しました。また、トラックに乗務するための運転免許の取得支援(42社44人)も行いました。
合同企業説明会とトラックの仕事体験会は、自動車教習所などで同時開催したもので、2017年7月から11月にかけて実施しました。業界への就職や関心を持つ学生などを対象に開催し、合同企業説明会には毎回10社程度の会員事業者が参加しました。なかには、具体的な仕事の内容や採用条件などについて説明するなど、入社に向けた面接を行うところもありました。また、仕事体験会ではトラックへの乗車体験などを行いました。
人材確保総合サイトを開設
人材力支援事業では支援施策の一環として2017年4月から、トラック運送業界の役割や仕事の内容および魅力などを情報発信するとともに、参加事業者の求人情報を掲載する人材確保総合サイト「RUN TALK 109 TOKYO」を開設しました。特に若者や女性の関心を引くコンテンツなどを掲載して業界や運転者などの仕事をアピールし、閲覧を契機として採用につながったケースもありました。
人材確保へ「好事例集」作成
東ト協コンソーシアムでは2018(平成30)年2月14日、人材力支援事業を総括する形で「トラック運送業界好事例発表会」を開催しました。2か年にわたる人材力支援事業の取り組みや成果などについて、参加事業者が取り組み事例を報告するとともに、今後の取り組みや課題についてパネルディスカッションなどを行いました。
さらに、人材力支援事業における各種の支援プログラムや実施状況、および成果や取り組み事例を紹介した「好事例集」を作成しました。これを活用して、会員事業者において人材確保に向けた取り組みやノウハウなどを共有し、水平展開していく方針です。このため「好事例集」の内容は協会ホームページに掲載し、情報発信しました。
将来的に持続可能な「未来型GEP」へ~参加費の一部負担など推進体制見直す
東京都トラック協会環境委員会は2017(平成 29)年4月20日、第1回「未来型グリーン・エコプ ロジェクト(GEP)検討小委員会」を開催しました。東ト協ではGEPを環境対策の最重点事業として推進してきましたが、2006(平成18)年度の開始以来、既に10年以上を経過しました。そこで、将来的に持続可能な推進体制を構築し、さらなる拡大・発展を図っていく上で、今後の推進体制のあり方などについて見直しを検討するため設置したものです。
参加費用については、これまで東ト協が全額補助し、費用負担なしで参加可能でした。しかし、GEPの拡大に伴い事業費が大幅に増大し、これまで環境対策基金の取り崩しなどにより事業費を確保してましたが、近い将来、同基金の枯渇が懸念される状況になりました。
こうした状況を打開するため、未来型GEP検討小委では参加費用負担のあり方を含めて、今後の推進体制に関して見直しを検討しました。その結果、参加事業者に対して、クラウドシステムによる燃費データの提供など一層のサービス向上を図る一方で、2018(平成30)年度から、参加費用の一部(車両登録料・月額利用料金の一部)について、参加者に負担を求めることとしました。
都「評価制度」、GEP参加者が大半
東ト協では、GEP参加事業者などによる東京都「貨物輸送評価制度」の評価取得に積極的に取り組んでいます。2017年度の評価では、全評価事業者281社のうち、東ト協会員が前年度より19社多い272社となり、特にGEP参加事業 者が268社とほとんどを占めています。
同制度は、運送事業者によるエコドライブ推進など燃費改善(CO2削減)への取り組みを評価する制度で、東ト協がGEP活動を通じて蓄積した実走行燃費データを活用し、都環境局が自動車CO2削減対策として構築したものです。2013(平成25)年度に本格運用を開始して以来、GEP参加事業者が評価事業者の大半を占めており、こうした評価取得状況からも、GEPの取り組みレベルの高さが実証されています。
なお、都環境局では、同評価制度の運用開始から5年を経過したことから、2017年度の評価に当たって制度改正を行い、これまでの3段階から5段階評価に改めるとともに、5年連続で評価取得の事業者に対する表彰制度を創設しました。