協会ルネサンス元年
明けましておめでとうございます。
本年が、会員のみなさまにとりまして、素晴らしい年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
昨年を振り返りますと、まず国際情勢では、6月の国民投票によるイギリスのEU離脱と、11月のアメリカ大統領選挙で、共和党のトランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補有利という大方の予想を覆し、第45代アメリカ合衆国大統領に選出されたことではないでしょうか。いずれも「グローバリズムから保護主義へ」と、今後の国際社会の枠組みが変わることも予想され、その意味で2016年は、歴史に刻まれる年となるのではと感じています。
日本では、4月に熊本地震がありました。12月21日現在、死者は、直接死、関連死等を含め165人、負傷者は2600人を超える大きな被害となりました。東日本大震災に続く熊本地震は、「首都直下地震の備えの必要性とトラック協会の果たすべき役割」について、改めて、意識させられました。
協会では、何と言っても、「創立50周年記念式典・祝賀会」の開催と「トラックフェスタTOKYO 2016」の開催でした。
会長不在の空白期間があったために準備不足があったこと、新体制発足後、時間のない中での開催ということから、50周年記念事業については、翌年に延期するか否か、ぎりぎりまで検討しましたが、予定通り実施することを決断いたしました。結果、本部旗、支部旗を一堂に掲揚することもでき、祝賀会では、50年を振り返る充実した動画も上映できました。思い切って、予定通り開催することにして、携わった方々にはご苦労をおかけしましたが、多くのご来賓のご出席を賜り、盛大に開催することができました。当日は、突然の停電という思わぬアクシデントもあり、暗闇のなかでの、まさに「記憶に残る創立50周年記念式典」でした。
また、「トラックフェスタ TOKYO 2016」は、公認支部となって初めての大きなイベントでしたが、都民に協会の存在を発信することができたほか、本部・支部間及び支部相互間の協力関係が随所に見られ、公認支部が発足したことの成果が存分に発揮されました。実行委員の方々と本部、支部の方々のご努力に改めて感謝する次第です。
さて、本年は、協会として、次の50年に向けた新たな第一歩を踏み出す重要な年となります。まさに、「協会ルネサンス元年」ともいうべき、この重要な年を迎え、特に次の点について、「協会経営」を重点的に進めてまいります。
第一に、協会が何のために存在し、どこに向かおうとしているのか、これまでは、必ずしも明確ではなかったことから、協会のあり方や方向性が、会員から見えづらく、結果として協会としてのベクトルが削がれ、会員それぞれが一所懸命活動している割には、達成感に欠ける側面がどうしてもありました。これは、戦術面では、「交通安全」「環境」など、それぞれ事業を展開してきましたが、何のためにそれをやっているのかという基本的な戦略面が、共通認識として会員全員に共有されていなかったことによります。
そこで、今回、協会が何のために存在し、どこに向かおうとしているのかということを明確に示すこととし、「公共の福祉に寄与」「貨物自動車運送事業の社会的地位の向上」の二つを協会の理念、基本戦略としました。今後は、この協会の理念、基本戦略のもと、戦術面としての各種事業を、体系的に展開してまいります。
第二に、首都直下地震から都民及び関東一円の各県民の命を守るための取り組みを開始します。昨年12月19日に開催された「東京都予算に対する各種団体等からの知事ヒアリング」では、要望書のうち「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」と「駐車規制の緩和」の二つについて発言いたしました。「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」は、①東京都と協会で供給から管理・緊急輸送までを包括した「委託協定」を締結、②圏央道周辺に備蓄・保管・配送を一体化した平屋建て集荷・集積施設を建設、③首都直下地震発生時に都民および関東一円の命を守るため、東京都と関東トラック協会で「災害時における緊急車両確保のための協定」を締結、の3点を内容とするもので、都知事からは、「具体的な提案をいただいた。早期に検討する。」との力強いご回答をいただきました。本年は、「公共の福祉に寄与」の観点から、関東のトラック協会とも、より一層緊密な連携を持ち、「首都直下地震における緊急輸送支援システムの再構築」の実現に向けた取り組みを推進してまいります。
第三に、昨年の所信表明でお約束した10の施策についてですが、早期実施可能なものについては、すべて着手しまして、現時点で約60%が着手もしくは実施済です。正副会長会、委員会、専門部会等の議事録については、協会の透明性を図るため、すべてホームページに掲載済みとするなど、順調に推移しつつあります。また、どうしても時間のかかるもの、相手のあるものなどについては、現在、副会長が、調整のための取り組みを開始しています。具体的になった時点で、改めてご報告させていただきます。
目線は常に高く、しかし足元は一歩一歩踏みしめて、本年も「協会運営から協会経営に転換」をさらに進めるため、全力を尽くしてまいります。どうか本年も、会員の皆様の格別のご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
最後に、年頭に当たりまして、会員の皆様のご健勝と事業のますますのご発展・ご隆盛を、心からご祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
平成29年 元旦
一般社団法人 東京都トラック協会
会長 千原武美

会長 千原 武美