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2013:交通安全・事故防止

監査と処分、悪質事業者に重点化

 国土交通省は2012(平成24)年10月31日、自動車運送事業者に対する監査のあり方に関する検討会中間とりまとめを発表しました。同年4月に関越道で起きた高速ツアーバスの事故を受けて、事業者の法令遵守についての事後チェックが不十分だったとの反省から、同年8月以降、監査の専門家らで検討していたもので、中間まとめでは悪質な事業者への監査の重点化と行政処分の厳格化を打ち出しました。
 効率的・効果的な監査の実施では、トラックの適正化事業実施機関のような第三者機関を貸切バスについても設ける方針を示したほか、運送事業者が自ら定期的に法令遵守状況をチェックし、国に報告する仕組みを新たに整備することを提言しました。「悪質な運送事業者」については「輸送の安全確保に支障を及ぼす可能性が高い重要な法令等について、違反がある、または違反している可能性が高い事業者」と定め、重要な法令違反として名義貸し、運行管理者選任義務違反、運転者に対する指導・監督義務違反、健康診断受診義務違反など9つの法令違反を例示しました。
 中間とりまとめでは、こうした重要な法令違反の可能性に応じて優先順位を決め、監査を行うべきだと指摘しました。また、監査の効率化の観点から、デジタル式運行記録計の事業用自動車への装着を義務付け、運転者情報やGPSによる運行地点情報、運転時間の基準違反の有無などを監査で確認できるように検討を進めるとしました。
 一方、実効性ある行政処分の実施については、例示した9つの重要法令違反のうち、いずれかの違反が確認された場合には、即時事業停止処分を課すなど処分基準を強化するよう求めたほか、こうした違反に対する是正命令に従わなかったり、処分歴があるうえ、重要法令違反を犯すような「非常に悪質な運送事業者」に対しては、即時事業許可取消処分を課すべきだと指摘しました。
 検討会では、法令違反に対する課徴金や反則金などの金銭的処分の導入も検討しましたが、中間とりまとめでは、事業停止や車両使用停止処分を行うことが直接的で適切であると考えられるとして、慎重に検討する必要があるとしました。
 なお、国交省は2013(平成25)年4月に監査方針や行政処分基準などを改正し、同年10月に施行する予定です。

営業用トラックの死亡事故増加で緊急対策

 営業用トラックが第一当事者となった死亡事故が2012(平成24)年に入り増加傾向となり、1~5月の累計で前年同期比17件増(13.1%増)の147件となったことを受け、全日本トラック協会は同年7月から「下期交通事故防止緊急特別対策キャンペーン」を展開しました。
 営業用トラックの事故の半数を占める追突事故の防止に向け、国土交通省がまとめた「追突事故防止マニュアル」を活用したセミナーを全国で開催したほか、ドライブレコーダーに記録されたヒヤリハット映像を全国から集め、「WEB版ヒヤリハット集」としてホームページ上で公開しました。トラック事業者のドライブレコーダーで記録された「ヒヤリ」とした瞬間の映像を全ト協が収集し、WEB上で公開し、共有することで業界全体の安全運転教育に役立てることが狙いです。
 ヒヤリハット映像は、10月に数事例でスタートしましたが、12月には29事例にまで増やし、1年以内に100事例以上の事例掲載を目指しています。

労災防止へ荷主に協力要請

 トラック運送事業における労働災害の増加を受けて、厚生労働省は2012(平成24)年10月下旬から2013(平成25)年2月にかけて「荷主向け荷役災害防止セミナー~荷主等の構内での墜落・転落災害の防止に向けて~」を開催しました。一方、全日本トラック協会も2013年1月から労災防止特別対策を展開し、荷主に対して労災事故防止への協力を要請しました。
 トラックドライバーの労災事故の7割が荷役作業時に発生し、さらにその7割が荷主の事業場や配送先などで発生しているためで、荷役作業における災害は荷主等が提供する貨物の積み降ろし現場の作業環境に影響され、陸上貨物運送事業者による安全対策のみでは十分な効果が上がりにくいことから、荷主に対し協力要請したものです。
 全ト協の特別対策では、主要荷主団体に対して安全対策徹底への協力依頼文書を発出したほか、「荷主の皆様へ」とするリーフレットを作成し、荷主団体の傘下会員や取引先に配布しました。

国交省・事故防止予算33%増の10.8億円

 政府は2013(平成25)年1月29日、2013年度予算案を閣議決定しました。このうち国土交通省自動車局予算では、事業用自動車の事故防止対策支援事業に前年度予算比33%増の10億7,700万円が計上されました。衝突被害軽減ブレーキなどのASV導入支援、デジタル式運行記録計やドライブレコーダー導入支援、社内安全教育支援を行うための予算で、新たにリアルタイムの運行管理機器導入など過労運転防止のための先進的な取り組みも支援することになりました。
 自動車局予算ではこのほか、運輸局や運輸支局の監査要員を22人増員することが認められ、全国の監査要員を342人体制とすることになりました。

大型車に衝突被害軽減ブレーキ装着義務付け

 国土交通省は2012(平成24)年3月12日、大型トラックに衝突被害軽減ブレーキの装着を義務付けると発表しました。トラックは追突事故の割合が高いことや、乗用車と比較して死亡事故率が高い実態を踏まえ、衝突被害軽減ブレーキの技術向上が進んだこともあり、世界に先駆けて技術基準を策定し、適用開始時期を決めたものです。
 車両総重量22トン超トラックと同13トン超トラクタの新型車には2014(平成26)年11月から、同20トン超22トン以下のトラックには2016(平成28)年11月から適用します。継続生産車については、22トン超は2017(平成29)年9月から、13トン超のトラクタは2018(平成30)年9月から、20トン超22トン以下のトラックには2018年11月から適用します。
 車両総重量8トン超20トン以下の車両については当分の間、この技術基準は衝突被害軽減ブレーキを備える場合の要件としました。

デジタコ義務付け巡り業界反発

 国土交通省は2012(平成24)年8月9日、同年1月以来中断していたトラックにおける運行記録計の装着義務付け対象拡大のための検討会を開き、今後の方向性案を提示しました(写真)。それによると、装着機種はデジタル式としていますが、具体的な対象範囲は示さず、業界の反発を踏まえて仕切り直した格好となりました。車両総重量3.5トン以上の営業用トラックにデジタル式運行記録計を義務付けるとの当初案を白紙撤回したもので、今後はより安価で簡易なデジタコでも認められないかなど、技術基準の見直しも視野に時間をかけて環境整備を進めることになりました。
 運行記録計は車両総重量8トン超の大型トラックに装着が義務付けられていますが、同省が2011(平成23)年11月に義務付け対象の拡大のための検討会を設置し、車両総重量3.5トン以上の中小型トラックまで一気に義務付け範囲を拡大する案を提示しました。これにトラック業界が反発し、関東ブロックのトラック協会が反対署名活動を展開して6,000人を超える署名を集め、関東運輸局に提出したほか、近畿ブロックのトラック協会も義務付け拡大を見合わせるよう要望していました。
 国交省は2012年1月26日に開いた第2回検討会で、2~3年後を目途に中・小型から大型車も含めて新車にはデジタル式運行記録計の装着を義務付け、使用過程車についても新規参入事業者の車両と既存事業者の増車車両を対象とする案を提示しました。ただ、その後も業界の反発は収まらず、検討会を開けない状況が続いていたものです。

海コン運送安全確保法案、制定に至らず

 国際海上コンテナの陸上輸送で横転事故が多発したことから、国土交通省が2010(平成22)年3月に国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送安全確保法案を国会に提出しましたが、数次の国会を経ても未だ制定に至っていません。
 国内の受荷主等に対し、コンテナの内容物や重量、積み付け状態といったコンテナ情報をトラック運送事業者と運転者などに順次伝達することを義務付けるほか、過積載や偏過重などコンテナが不適切な状態にある場合には、受荷主に対して是正することを義務付けるという法案です。
 2012(平成24)年の通常国会に再提出した際には、重量情報などを発荷主から取得できない場合、船社から取得できるように修正しました。海上輸送の安全に関する国際条約(SOLAS条約)で、発荷主による重量測定と船社への重量証明伝達を義務付ける改正作業が進められていることを反映させたものです。ただ、発荷主からコンテナ情報を取得できなかった場合には受荷主に重量測定を義務付ける内容のため、経済界が「港が大混乱に陥る」などと反発しましたが、船社から正確な重量情報の取得が可能になれば、国内でのコンテナ重量測定が相当程度回避されると期待されています。
 2013(平成25)年の通常国会では、予算成立の遅れや7月の参院選で会期の延長が困難などの客観情勢から、同法案の再提出は見送られました。

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