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2013:経営環境

最低車両台数の引き上げ見送り

 国土交通省は2012(平成24)年10月25日、トラック産業の将来ビジョンに関する検討会に設置されていた最低車両台数・適正運賃収受ワーキンググループ(WG)の報告書を発表しました。報告書では、トラック運送業界が期待していた最低車両台数の引き上げや緊急調整措置の発動、標準運賃の設定など規制緩和の見直しはいずれも見送られ、業界にとっては不満の残る内容となりました。
 規制見直しのメーンテーマの1つであった、最低車両台数規制(5両以上)については、「直ちに基準を引き上げる状況にはない」と断定する一方で、新規参入時の事前チェックを強化することや法令試験の見直し、5両未満事業者への運行管理者選任義務付けなどを提言しました。また、WGの議論で浮上した事業許可更新制については、他の規制の効果や監査および行政処分の強化を図りつつ並行して検討を続け、その導入の可否を判断するとし、引き続き検討していくことになりました。
 運賃料金の適正収受に向けた取り組みのうち、貨物自動車運送事業法に基づく標準運賃については「各種指標によれば、現段階で発動すべき状況ではない」と結論付け、事業者の交渉力向上に向け、原価計算の普及・浸透を図るとしたほか、契約の書面化の際に運賃や附帯料金などを明記することを検討する方針が示されました。

5両割れに運行管理者義務付け

 国土交通省は2012(平成24)年12月6日から、5両割れ事業者への運行管理者選任義務付けを内容とする貨物自動車運送事業輸送安全規則(省令)改正案をまとめ、意見募集を行いました。特殊な輸送などを除き、すべての営業所に運行管理者1人以上の選任を義務付けるものです。5両割れ事業者は全国で約4,000社あるといわれていますが、改正省令公布の際に既に5両割れとなっている事業者については、適用を1年間猶予するとしています。
 なお、改正省令の施行は2013(平成25)年5月1日からです。

法令試験、再試験は1回のみに

 国土交通省は2012(平成24)年12月20日から、法令試験見直しと許可時の運行管理体制基準の強化を内容とする通達改正案について、意見募集を行いました。新規許可申請事業者の役員に対する法令試験については、出題範囲を独占禁止法と下請法にまで拡大するほか、試験の頻度を現在の毎月から隔月に減らすことになりました。また、不合格だった場合の再試験は1回のみとし、再試験に合格できなかった場合は許可を行わないことにしました。試験会場への参考資料の持ち込みも不可とし、別途、国交省が出題範囲に係る条文集を会場で配布することにしました。
 許可時の運行管理体制基準の強化では、運行管理体制をより具体的に記載した書類の提出を求めるほか、運行管理者の具体的な確保予定日、アルコール検知器の導入計画、車庫と営業所間の連絡方法および対面点呼の方法について記載させることにしました。さらに、特定の運転者(事故惹起、初任、高齢)に対する特別な指導の予定の有無を記載させるとともに、運転者ごとの勤務割および乗務割の計画も記載させるようにします。
 この通達改正も施行は2013(平成25)年5月1日からです。

新作業部会で検討継続

 国土交通省は2012(平成24)年12月25日、トラック産業の将来ビジョンに関する検討会(座長=野尻俊明流通経済大学教授)をおよそ2年半ぶりに開き、最低車両台数・適正運賃収受ワーキンググループ(WG)の報告書を了承するとともに、引き続き必要な対策を検討するため、新たな作業部会を設置することを決めました。
 作業部会は学識経験者等5人、経済団体2人、労働組合2人、トラック業界2人の計11人で構成し、2013(平成25)年2月21日に初会合を開きました。最低車両台数・適正運賃収受WGの報告書の内容を不十分だとする意見が多いことを踏まえて、引き続き検討を行うことにしたものです。作業部会では、参入時規制の強化、多層構造の弊害解消、水平構造の改善、適正化事業の充実などについて半年から1年程度かけて検討していく予定です。
 参入時規制の強化では、新たに営業所・車庫間の距離基準強化を検討します。現在、都市部では10kmまで、首都圏では20kmまで許容している営業所・車庫間の距離を点呼や安全管理強化の観点から見直し、今後の申請事案についてはより短距離の基準とする方針です。大臣告示の改正を検討中です。
 多層構造の弊害解消に向けては、トラック輸送適正取引推進パートナーシップ会議でも取り上げられている、契約の書面化を進める方針です。ヒアリング調査で、積み込み時間が遅れたにもかかわらず着時間厳守を要請されたり、利用運送事業者が介在することで不当に安い運賃での運送依頼があるなどの実態が明らかになったため、書面契約を義務付けることで業務範囲や責任、運送条件などの内容を明確にし、取引を適正化することが狙いです。
 水平構造の改善では、管理の受委託規定を活用し、共同点呼の可能性を検討します。また、適正化事業の機能強化では、悪質違反の国への通報を制度化するほか、安全性評価事業の制度化を検討する方針です。

燃料高騰で全国統一行動

 全日本トラック協会が2012(平成24)年4月25日に発表した同年3月の軽油価格(消費税抜き)は、ローリー価格で前月比8.28円高の110.55円となり、2008(平成20)年10月以来3年5か月振りに110円を突破しました。価格の急騰を受け、全ト協と全国47都道府県トラック協会は同年5月15日、「燃料価格高騰による経営危機突破全国統一行動」を実施し、全国各地で合計約2万人が参加して燃料高にあえぐ業界の窮状を訴えました。
 首都・東京では関東ブロックが2,500人規模の総決起大会(写真)を開き、トラック労使のほか、バス、タクシー両業界労使も参加し、軽油引取税の緊急減税やトリガー条項の凍結解除などを求める決議を採択しました。総決起大会であいさつした全ト協の星野良三会長は「ドバイ原油の急騰で今年度の業界のコスト増は5,000億円におよぶ。多くの事業者は存続の危機に直面している」と述べ、危機突破に向けた意気込みを示しました。大会では、決議文が採択されたほか、「頑張るぞー」などのシュプレヒコールで気勢を上げ、その後、国会周辺をデモ行進し、国会への請願と関係省庁への陳情を行いました。

国交省、経済界に燃料サーチャージ導入への協力求める

 燃料価格の高騰を受けて国土交通省は2012(平成24)年5月16日、2008(平成20)年に策定した「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」を改訂しました。新たにトラック運送事業者8社の具体的な導入事例を加筆したもので、同省は同年6月以降、この改訂版ガイドラインを使って全国のトラック事業者を対象に燃料サーチャージ導入促進に向けたセミナーを開催しました。また、5月30日には国土交通副大臣と国土交通審議官が日本経済団体連合会と日本商工会議所に対し、燃料サーチャージ導入への協力を要請しました。

自動車取得税、消費税10%時に廃止

 自民・公明両党は2013(平成25)年1月24日、2013年度与党税制改正大綱をまとめました。焦点となっていた車体課税の見直しは、自動車取得税(営業用3%、自家用5%)について、消費税が8%に引き上げられる2014(平成26)年4月にエコカー減税を拡充して減税し、10%に引き上げられる2015(平成27)年10月に廃止することで決着しました。一方、自動車重量税については、エコカー減税の基本構造を恒久化するとした上で、消費税8%の段階で環境性能等に応じて軽減し、多額の財源が必要となる道路の維持管理・更新等の財源として位置付ける方向で見直すこととされました。
 自動車重量税を道路特定財源に戻すとの受け止めも一部であったことから、自民党内の最終調整では混乱も見られました。与党の税制改正大綱決定を受けて記者会見した自民党税制調査会の野田毅会長は「自動車重量税は道路の損壊に対して使う方がふさわしい。道路整備から50年が経ち、あちこち傷んでおり、莫大なお金がかかる。自動車は原因者でもあり、受益者でもあるので、重量税をそういうことにしっかり充てていく」と説明しました。

高速道路料金のあり方を検討

 国土交通省は2012(平成24)年11月20日、社会資本整備審議会に国土幹線道路部会(部会長=寺島実郎日本総合研究所理事長)を設置し、初会合を開きました。国土交通大臣の諮問を受けて、①ネットワークのあり方②今後の料金制度のあり方③維持更新の枠組み④整備・管理プロセスの透明化――について審議することになったものです。
 このうち、高速道路料金の割引制度については、時間帯割引の上乗せ分などの財源(利便増進事業)が2013(平成25)年度末で枯渇するため、今後の財源確保策や割引制度をどうするかが焦点となっています。2009(平成21)年の政権交代前後から政治に翻弄され、民主党政権下での無料化実験など迷走を続けた高速道路料金ですが、4年ぶりに国交省の審議会で検討されることになったものです。高速道路料金については現在、深夜割引や通勤時間帯割引、大口・多頻度割引などが導入されていますが、これらについて割引効果を確認しつつ見直すほか、割高な本四高速の料金をNEXCO並みとすることも検討課題です。
 013年1月28日の第3回国土幹線道路部会(写真)では、全日本トラック協会などからヒアリングを行い、全ト協は現在の実質割引率50%を70%に拡充すれば、営業用トラックの高速道路利用率は10%上昇し、8,900億円の経済効果が見込まれるとの試算結果を示し、終日基本料金の半額化と大口・多頻度割引の拡充を要望しました。維持管理費用については恒久有料化により利用料金で負担するよう求め、割引財源については償還期間の延長、借入金利との金利差の活用、高速道路用地費の債務からの切り離しなどを提案したほか、2013年度税制改正大綱で維持管理・更新等のための財源と位置付ける方向とされた自動車重量税の活用も求めました。

厚生年金基金の存続求める

 全国35のトラック運送事業年金基金で構成される全国トラック総合年金基金連合会(会長=振津泰弘大阪府貨物運送厚生年金基金理事長)は2012(平成24)年11月、自民・民主両党に厚生年金基金制度に関する要望書を提出しました。自民党トラック輸送振興議員連盟には同月7日、民主党トラック議員連盟に対しては12日に要望を行い、厚生労働省が打ち出した厚生年金基金制度の廃止方針に対し、「一律の制度廃止には課題が多く慎重に議論すべき」と制度の存続を求めました。
 厚生年金基金は、国の国民年金、厚生年金にプラスアルファを上乗せした、いわゆる「3階建て」の部分です。世界的な金融危機を受け、株式など市場運用を前提にしている年金基金資産が深刻な影響を受け、これに2012年2月に発生したAIJ投資顧問問題が追い打ちをかけて、多くの年金基金の財政状態が悪化しています。中小企業が大半を占めるトラック運送業界では、基金部分が唯一の退職給付である例が多く、基金がなくなると従業員の福祉に大きな影響を与えると懸念されています。
 このため、全国トラック総合年金基金連合会の要望では、制度廃止を前提とした検討ではなく、給付設計の弾力化や財政運営の弾力化などの規制緩和により、年金基金制度が持続可能な制度となるよう見直しを求めました。

交付金法制化で大きな成果

 全日本トラック協会は、2012(平成24)年9月6日に開かれた自民党トラック輸送振興議員連盟総会で、運輸事業振興助成交付金の法制化後の交付金内示状況を報告しました。それによると、法制化により削減率が改善された協会は12協会あり、大きな成果が得られています。
 全ト協の報告によると、2011(平成23)年度に削減されていたものが2012年度内示で満額交付に改善されたところが8協会、交付削減率が改善されたところが4協会です。満額交付に改善された協会は、北海道・宮城・神奈川・山梨・奈良・島根・広島・宮崎の各協会、削減率が改善されたのは、静岡・滋賀・鳥取・大分の各協会です。
 前年度に引き続き満額交付は22協会で、前年度と同様に削減が9、前年度より削減強化が3、未内示が1協会です。2011年度に100%削減、2012年度はこの時点で未内示だった大阪府は、2012年度補正予算で2億円余りを計上しました。

トラック事業者の小規模化進展

 国土交通省は2012(平成24)年11月30日、2011(平成23)年度末現在の貨物自動車運送事業者数を発表しました。それによると、霊柩事業者を含む総事業者数は前年度比0.1%増(94者増)の6万3,083者となり、2年連続で増加しました。新規参入は同21%減の1,269者と減少に転じましたが、退出も同12%減の1,175者となったためです。
 車両数規模別の事業者数を見ると、10両以下の事業者は前年度より3%増えて3万6,679者となり、全体に占める割合は前年度の56.8%から58.1%へと高まりました。トラック運送事業者の小規模化が一層進んでいます。同時に発表された2011年度末現在の事業用貨物車両数は前年度比0.4%減の133万3,780台となり、事業者数の増加と車両数の減少という関係から見ても小規模化が進んでいることが裏付けられました。

引越優良認定、2014年度から開始へ

 全日本トラック協会は2012(平成24)年12月6日、引越事業者を客観的に評価する「引越事業者優良認定制度」(通称名=引越安心マーク)を創設し、2014(平成26)年度から開始する予定と発表しました。消費者が安心して引越を委託できる事業者を選択しやすくすることが狙いで、引越業界全体のコンプライアンス向上、引越の苦情やトラブルを防止することを目指しています。
 申請資格として、引越実運送を行うすべての事業所が原則として安全性優良事業所(Gマーク)に認定されていることや、全ト協が行う引越管理者講習を3年以内に修了した者が1人以上在籍していることなどが求められます。また、顧客からの相談・苦情に対し、申請者として責任を取れる体制があることも要件とされています。
 評価対象は、「○○引越センター」などの通称名を1つの単位とし、グループを統轄する機関が実際に引越実運送を行う事業者や事業所を取りまとめて申請することにしています。優良認定の有効期間は3年間で、認定の可否は全ト協に設置する認定委員会(仮称)が決定し、認定に係わる重大な違反や認定証などの不正利用が発見された場合は、認定委員会が認定の取り消しを行う仕組みになります。

日雇い派遣が原則禁止に

 日雇い派遣の原則禁止などを盛り込んだ改正労働者派遣法が2012(平成24)年10月1日に施行されました。トラック運送業界では、年間人口移動者数の3分の1が集中する3~4月の引越シーズンの作業員確保に支障が出るとして、引越業務を適用除外とするよう求めていましたが、認められませんでした。
 日雇い派遣の原則禁止の例外として、①60歳以上の高齢者②昼間学生③副業として従事する者④主たる生計者でない者――が認められましたが、これでは不十分なため、全日本トラック協会では、2012年9月にまとめた改正労働者派遣法Q&Aで、職業紹介事業者による「日々紹介」の活用を例示しています。
 「日々紹介」は、派遣を受けるのではなく、職業紹介事業者からの紹介を受けて運送会社が直接雇用する形態ですが、募集費用がかからないほか、賃金計算などの経理業務を派遣会社が代行することで、運送会社が事務負担を軽減できるメリットがあります。

新物流施策大綱を策定へ

 国土交通省と経済産業省は2012(平成24)年11月6日、次期総合物流施策大綱の策定に向けた有識者検討委員会を設置し、初会合を開きました。物流を取り巻く環境変化などを踏まえて、今後5年間に必要な物流政策について議論し、提言をまとめる予定です。この提言を受け、政府は2013(平成25)年7月に新しい物流施策大綱を閣議決定する予定となっています。
 物流を巡る環境変化としては、アジアを中心としたグローバル・サプライチェーンの深化と国内産業の空洞化など物流の構造変化、東日本大震災以降のエネルギー需給の逼迫により化石燃料依存度が上昇傾向にある中での低炭素・循環型社会実現に向けた物流の低炭素化、東日本大震災で物流が寸断されたことを踏まえた災害に強い物流システム構築と国内外の物流の安全確保――などが挙げられています。
 全日本トラック協会は2012年11月27日、有識者検討委員会のヒアリングに応じ、規制緩和により過当競争に陥っている実態や運賃の下落、ドライバーの賃金低下、軽油高騰や安全・環境への投資の増加などを挙げて、規制緩和を見直し、許可基準の厳格な運用や利用運送事業への規制などを行うよう求めました。

新東名開通で大型車の利用が転換

 NEXCO中日本が建設を進めていた新東名高速道路の御殿場ジャンクション~三ヶ日ジャンクション間約162kmが、2012(平成24)年4月14日開通しました(写真)。東名高速の混雑緩和や災害時の代替ルートとして整備が進められてきたもので、一度に開通する区間としては過去最長です。
 NEXCO中日本がまとめた開通後3か月間の交通量調査結果によると、静岡県内の平日の交通量は東名高速が39%減少する一方で、新東名の交通量は14%増え、3か月間に静岡県内で起きた10km以上の渋滞発生回数は前年同時期に比べ9割減少しました。
 新東名の大型車の平均移動距離は約270kmですが、東名の平均移動距離は開通前の約180kmから約120kmに減少し、移動距離が長い通過交通が新東名に転換しました。東名の大型車の平均交通量は、開通前の1日2.6万台から同1.5万台へと減少しました。

改正石油備蓄法が施行~災害時の供給体制強化

 改正石油備蓄法が2012(平成24)年11月1日に施行されました。同法は、原油や石油製品を安定的に供給するため、民間事業者や国が行うべき備蓄について定めたもので、東日本大震災での経験を踏まえ、災害時の石油供給体制を一層強化するため改正したものです。
 改正法では、備蓄の放出要件について、海外からの石油の供給不足時に加え、災害により国内の特定地域への石油供給が不足する時にも国家備蓄石油とLPガスを放出できるようにしました。
 また、被災者への石油の供給を石油元売り会社が一致協力して行えるよう、石油元売り各社に対し、全国10地域ごとに災害時対応の供給連携計画をあらかじめ作成するよう義務付けました。災害時には経済産業大臣が石油元売り各社に対し、同計画に係る措置の実施を勧告します。LPガス輸入・卸売会社に対しても同様の勧告ができるようになっています。
 このほか、給油設備の規模が一定以上であるなどの要件を満たすサービスステーション(SS)を災害時の給油拠点とするため、石油販売業者に対しSSの設備状況などを届け出るよう義務付けました。

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