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交通インフラ・交通環境の動き

高速料金値下げ、新大口・多頻度割引スタート

 長年にわたるトラック運送業界の運動もあって、高速道路の通行料金値下げが実現しました。国土交通省は2004年9月24日、ETC車を対象とした平均1割の値下げを認可しました。日本道路公団が申請していたもので、11月1日から深夜時間帯の料金3割引が実施され、2005年1月11日からは大都市近郊区間の早朝夜間時間帯が5割引に、大都市以外の通勤時間帯も5割引になりました。
さらに、別納割引制度は2004年度一杯で廃止され、2005年4月からは、新たな大口・多頻度割引と一般利用者向けマイレージ割引が実施されます。道路公団民営化による経営の効率化を原資とした値下げで、ETC普及を後押しすることが狙いです。このため道路公団では、車載器購入補助や料金還元などで、ETC普及に全力を挙げています。
 新たな大口・多頻度割引は、車両単位割引として月間利用額に応じて最大20%割り引くほか、企業・組合の月間利用総額が500万円超で、なおかつ車両1台当たりの月間平均利用額が3万円を超えるものについては、一律10%の契約単位割引が上乗せされ、合計で最大30%の割引となります。
 平均的なトラック事業協同組合の場合の割引率は、これまで別納割引で適用されていた29%近い割引と比べると、ダウンすることになると見込まれますが、深夜、早朝夜間や通勤時間帯割引と併用すれば、現状以上の割引が受けられる計算です。

首都高回数券を廃止

 国土交通省は2004年10月26日、首都高速道路と阪神高速道路の100回回数券廃止と、その受け皿となる新たなETC割引の導入を認可しました。回数券偽造による被害の拡大が問題となっていたもので、両道路公団では2005年3月15日で販売を停止する予定でしたが、その後2004年12月に回数券の大規模偽造グループが摘発されたことを受けて、北側一雄国土交通相が廃止時期の前倒しを表明しました。
 回数券廃止に当初から反対していたトラック運送業界では、全ト協と日貨協連、関東および近畿のブロックトラック協会が連名で12月15日、「当初予定通りの販売、利用を続けてほしい」と国土交通省に要望したほか、東ト協と東ト協連も絶対反対を申し入れましたが、両公団は12月17日、2005年1月末をもって回数券の販売を停止すると発表しました。回数券の利用も2005年7月末で停止されることになりました。
 回数券廃止の受け皿となるETC割引については、首都高速が2004年11月から100回券並み(18.4%割引)のETC前納割引を実施していますが、後納割引については2005年4月から、11回券など小額利用者向けに一律5%の割引を実施することが決まっているだけで、100回券など大口利用者向けの後納割引制度は内容が固まっていないのが実情です。首都高速道路公団では2005年夏頃を目途にETCによる本格的な後納割引の導入を予定しており、マイレージ割引のようなポイント制や時間帯割引、夜間割引などがメニューとして検討されています。

対距離料金制で値上げも

 国土交通省は2005年2月4日、首都高速と阪神高速の対距離料金制の考え方をまとめ、道路局に設置された「今後の有料道路のあり方研究会」(座長=杉山武彦一橋大学長)に提出しました。対距離料金制は、一般の高速道路と同様に、利用距離に応じて料金に差を設ける制度で、長距離利用の場合は大幅な値上げになることも想定されています。逆に短距離利用を値下げすることで利用車両の増加を見込み、結果として1割程度の増収になると見込んでいます。
 料金格差は、首都高速の普通車(東京線現行700円)を例にとると、利用距離に応じて(1)600円以下(負担減)(2)600~800円(現行程度)(3)800~1,050円(負担増)(4)1,050円以上(大幅負担増)と想定しており、長距離利用の場合は、最大で1.5倍以上の値上げになります。このため、日本道路公団の高速道路で採用されている長距離逓減制のほか、ゾーン別上限制などもあわせて検討し、激変を緩和したい考えです。
 同省では2005年10月の道路公団民営化までに骨格を固め、2008年度から実施する意向ですが、対距離料金制はETC通行が前提となるため、事実上のETC義務づけとなると見られています。

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