東京都トラック協会(中西英一郎会長)は、10月7日〜22日の間、自由民主党東京都連合会、都議会民主党、都議会公明党、都議会自民党に対し、東京都環境確保条例によるディーゼル車規制の施行にあたっての要望を行いました。

東京都環境確保条例によるディーゼル車規制の施行にあたって(要望)
 
 現下の長期に亘る景気低迷にあって、我々業界は輸送量の落ち込みが見られる中、燃料や高速道路料金の値上げなど、コストが上昇している反面、運賃・料金の下落によって、最近5ヶ月間では50社を超える企業が倒産、廃業又は休業に追い込まれるという切羽詰まったぎりぎりの厳しい経営を強いられおります。
 加えて平成15年10月からは、条例の車種規制で初度登録から7年経過した車両は代替えするか、またはPM減少装置を装着しなければ都内の運行を禁止するという厳しい対応を迫られております。
 私ども業界は、条例に基づく諸施策に積極的に取り組み、その社会的責務を果たすとともに、円滑な輸送の確保によって都民生活に混乱を招かないよう努力をいたしております。
 しかしながら、条例の施行を目前に控え、規制に適切に対応していくうえで、我々業界独自の努力では解決し得ない幾つかの問題がございます。
 つきましては、当業界の実情をお汲み取り頂きまして、早急に下記事項について特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。
 
 
1.車両の代替えと資金について
  1. トラック事業は、現下の経営が悪化している中、当協会が行った調査では条例の車種規制に対応するため、規制適合車への代替え等の状況は次のとおりである。
     都内営業用トラックの保有台数は108,764台、都内走行禁止となる車両は56,700台と全体の52.1%(このうち代替えで対応は23,000台、40.5%)。代替えに要する費用の総額は2,188億円
  2. 同調査において6割以上の事業者が資金の調達はできないとしており、代替えで対応する台数23,000台では、次のとおり資金の確保に窮している状況にある。
      代替えで対応する台数は23,000台、このうち代替資金を調達できないのは、14,720台(64.0%)、調達出来ない費用の総額は約1,400億円となっている。
  3. 条例の規制によって、大型車12年以上、小型車10年以上の使用実態において、3〜5年も早く代替えを強いられることから、国または東京都は責任をもって車両代替え融資に係る無担保・無保証の特別保証制度の創設や公的資金融資枠の拡大と利子補給、信用保証料補助等助成措置の拡大を図るなど、車両の代替えを行う者が円滑に資金調達ができる措置を講じて頂くことを要望する。
     なお、車両の使用実態と条例の猶予期間は次のとおりである。
    使用実態年数は、大型車=12.26年、小型車=10.23年、規制猶予期間は両車種とも7年、使用短縮年は大型車=5.26年、小型車=3.23年。
 
2.PM減少装置について
  1. 現下の厳しい経営環境を反映して、規制適合車への代替えが困難な状況にあるため、当協会が行った調査では、15年9月30日までにPM減少装置を装着したいとする車両は、次のとおりである。
     平成5年規制以前の車両はDPF方式で約16,000基(72.7%)、平成6年規制の車両は酸化触媒DPF方式で約6,000基(27.3%)、合計は22,000基、装着に係る費用の総額は、約202億円。
  2. 東京都指定のPM減少装置のうち、DPF方式は運行上の制約要件等があって我々運送事業として一般的に使用可能な装置は2型式に過ぎない。
     また、酸化触媒方式は、自動車工業会によると平成5年規制以前の車両に対応した装置の開発は不可能であるとのことである。
     したがって、平成5年規制以前の車両(装置装着車両の約7割)は、価格が高いDPF方式の装置を選択せざるをえないという実情にあり、また補助を受けて装着しても、国のNOx・PM法によって最長でも2年足らずで車検が受けられないこととなり、経済的にも合理性に欠けているという問題がある。
  3. このような状況にあって、条例に対応していくうえで、特に、DPF方式の装置については、規制開始までに、我々業界が混乱することなく、保有車両に適合した装置を選択することができる体制整備を図って頂くとともに、平成15年度以降も引き続きPM減少装置について、東京都の助成が受けられるよう予算措置を講じて頂くことを強く要望する。
     
3.低硫黄軽油の供給について
 低硫黄軽油については、当初予定より早く供給出来ると聞きますが、低廉なPM減少装置を選択するため、各石油メーカーの切り替え時期に差違がなく、全国何処でも供給が可能となるようお願いするとともに、特に低硫黄化による値上げを抑制し、現行軽油価格で供給されるよう措置を講じて頂くことを強く要望する。
  
 
                  社団法人 東京都トラック協会
                    会 長 中 西 英一郎