東卜協、環境対策で東京都へ要望

 東京都トラック協会(東ト協、会長・浅井時郎)は3月22日、石原慎太郎東京都知事に対して、東京都が進めているディーゼル車規制強化等の環境対策に関する要望を行いました。中西英一郎会長代行(東京都が行う環境対策に係る検討会委員長)らが同日午後4時30分、都庁を訪れ、環境保全局の齋藤哲哉局長に要望書を手渡したものです。
 東ト協は、石原都知事が都民の命と健康を守る立場から打ち出している大気汚染防止緊急対策について賛意を表した上で、@平成2年以来、低公害車普及促進に効果のあった東京都の低公害車導入補助制度(低公害車導入促進補助金)が平成11年度以降打ち切られたことの再考、ADPF装置の認定基準の明確化と装着義務づけに対する公的資金助成・税制上の優遇措置、Bロードプライシングの不合理性、C軽油の質の向上などについて要望しました。
 「社会との共生」を理念としているトラック業界では、積極的に環境問題に対応した事業活動を展開しており、東京都の施策にも積極的に協力して来ています。
 これまでに低公害車の導入促進、最新規制適合車への代替促進やそのための助成事業、黒煙排出自主規制の実施、アイドリング・ストップやエコ・ドライブの促進など、さまざまな幅広い環境対策を実施し、社会の理解を深めているところです。
 そうした中で、東京都の進めているディーゼル車に対するDPF(ディーゼル微粒子除去装置)装着の義務づけ案やロードプライシング導入案等には、いくつかの問題点も見られることから、東ト協として一連の施策に対し慎重な検討と十分な配慮を求めたものです。

要望書

平成12年3月22日

 東京都知事
  石 原 慎 太 郎 殿

社団法人東京都トラック協会
会 長  浅 井 時 郎

東京都の環境対策に対する要望

謹啓 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
 ご就任以来、精力的に公務に取り組まれ、自治行政にご努力され、国に先駆け種々施策を推進されておられますこと、都民として誇りに思っております。また、ディーゼル車を中心とする環境問題にも積極的な活動を続けておられることに敬意を表するものであります。
 私どもは、知事が都民の命と健康を守る立場から打ち出された大気汚染防止緊急対策につきましては、賛意を表するものであり、社会との共生を理念とする当トラック運送業界といたしましては、従来から環境問題を事業の大きな柱と位置づけ積極的に取り組んでまいりました。
 特に昨年末、東京都の要請による冬季交通量対策の実施に協力し、黒煙排出車通報制の徹底に努めているのをはじめ、DPF装着による走行試験にも20台のトラックを提供し、その装着に伴う休車補償を実施するなど、東京都の施策に積極的に協力しているところであります。
私どもは、自動車使用に関する東京ルールをはじめとする東京都の環境対策に対応することが使命であると考えております。
 しかしながら、さる2月18日に発表された「ディーゼル車規制の検討案」については、いくつかの問題点があるので、その実施にあたっては、次のことについて慎重なご検討と、十分なご配慮を賜りますようお願い申し上げます。
1.低公害車の普及等環境対策について
 環境問題は、私ども業界の最重要課題であることから、交付金事業の一環として、昭和61年からメタノール等低公害車の普及促進の補助、最新規制適合車への買い換えの促進、アイドリング・ストップ、エコドライブの展開などにも積極的に取り組んでまいりました。
 特に、低公害車の普及促進事業については、平成2年に初めて東京都の導入補助制度(低公害車導入促進補助金)が創設され、公害防止に寄与してきたところであります。
 しかしながら、東京都においては、平成11年度以降新規導入に対する補助が打ち切られました。このことは、低公害車への転換を求める都の方針とは齟齬を来すものではないでしょうか。是非、再考をお願い致します。

2.DPF装置について
 DPF装置につきましては、その価格や耐久性、互換性、更に供給体制などがいまだ判然としない状況にも関わらず、すでにスケジュールが示され、装着義務づけのみが先行していることに対し、私ども業界は誠に困惑いたしております。
 従いまして、早急にこの装置に係る認定基準を示して頂くようお願い致します。
 特に、DPF装置は、大変高額なものと聴いており、装置の義務づけにあたっては、公的資金による助成及び税制上の優遇措置を強く要望致します。
なお、DPF装着の費用負担については、知事も明言されておりますように、自動車の利便性を享受するもの全員で公平に分担できるような適切な措置を要望致します。

3.ロードプライシングについて
 私ども業界は、NOx法によって最新規制適合車に代替し、更にDPFの装着を義務づけられたうえに、一定の区域に進入した場合、料金を課せられることにつきましては不合理であると考えております。 
 トラック運送事業者は、荷主、都民、利用者の要請により生活必需品等を迅速、かつ円滑に輸送しなければならない営業用トラックとしての社会的役割があり、渋滞緩和の問題については、私ども業界は輸送の合理化・効率化を確保するうえで、東京都の交通量抑制策に積極的に協力し、時間差運行や共同輸配送など、当協会をはじめ、全日本トラック協会及び関東トラック協会と連携を図りつつ、業界挙げて取り組んでまいりますので、規制対象外として頂くようお願い致します。

4. 軽油の質の向上について
 SPM対策としては、黒煙を含め軽油燃料の低硫黄化により相当改善されるものと伺っております。我が国の公害規制に対応した公害の少ない燃料が早期に供給されるよう要望致します。

 以上、今般、東京都が行う環境対策につきましては、これら諸般の実情をご賢察頂きまして、特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。