NOx・PM法施行にあたって環境大臣に要望

 関東トラック協会(会長・浅井時郎東ト協会長)は11月8日午後、自動車NOx・PM法の施行にあたって、川口順子環境大臣にトラック運送業界としての要望を行いました。
 当日は、浅井会長はじめ、関ト協副会長の高橋喬郎神奈川ト協会長・平井譲二千葉ト協会長・鈴木成正東ト協副会長、牧野良一専務理事らが環境省に出向き、別添の要望書『自動車NOx・PM法の施行にあたって』を西尾哲茂環境管理局長に提出、トラック運送業界の実情を説明するなか、@使用過程車の猶予期間を「10年以上」に延長A最新規制適合車の低廉化と早期供給B排出ガス減少装置の開発促進C低硫黄軽油の早急な供給と価格抑制D代替え時の融資等の支援策や税制上の優遇措置E関係自治体条例との整合性――などについて要望しました。


自動車NOx・PM法の施行にあたって(要望)

 平素は、私どもトラック運送業界に対しまして、格別なるご高配を賜り厚く御礼を申し上げます。
 ご高承のとおり、当業界をとりまく環境は、近年の景気低迷によって輸送需要が減少している反面、荷主業界からのコスト削減要請による運賃水準の低下に加え、環境対策や交通安全対策への対応等多くの問題、課題を抱え、事業経営は極めて厳しいものがございます。
こうした状況において、去る6月27日自動車NOx・PM法が公布され、先に施行にあたっての内容が示されましたが、私ども業界といたしましては厳しい経営環境において、物流の円滑化を図り、環境対策等に適切に対応していくうえで今回の施行案には幾つかの問題がございます。
 つきましては、今日の当業界の実情をお汲み取り頂き、本法の施行にあたりましては下記事項について特段のご高配を賜りますようお願い申し上げます。



1.使用過程車の猶予期間について
 自動車NOx・PM法の車種規制において、使用過程車の猶予期間は普通貨物自動車9年、小型貨物自動車8年とされています。
 しかし、現在使用過程にある車両は、旧NOx法の排出基準に適合するものとして、今回同様の猶予期間をもって買い換えを行ってきたもので、その使用実態は耐久性の向上や近年の不況下にあって普通貨物自動車は12.07年、小型貨物自動車は10.08年と何れも10年を超えて使用されています。
 特に、我々トラック業界は、今日の経済事情を反映した低価格競争が激化している中、運賃切り下げ要求が益々強く、輸送コスト合理化にも限界があり、倒産企業が見られるなど極めて深刻な状況において、本法の車種規制年の平成14年5月時点で政令案の猶予期間を既に超える関東圏対策地域の営業用トラックは、27万1千台のうち、延べ6万4千台となり、この買い換えに要する費用は総額約9千3百3拾9億円と多大な負担を強いられ、一層事業経営の悪化を招くこととなります。
 猶予期間については、これらの実情を踏まえ「10年以上」に延長するよう考慮して頂きたい。

2.最新規制適合車の低廉化と早期供給について
 自動車NOx・PM法の排出基準に基づく最新規制適合車への代替えは、大きな負担となるので、車両価格を極力抑制して低廉化を図るとともに、経営計画等を策定するうえで、供給時期等を早急に明示するよう関係メーカーに対して指導頂きたい。

3.使用過程車の排出ガス減少装置について
 使用過程にある貨物自動車は、猶予期間経過後に最新規制適合車に買い換えるのみでなく、負担軽減の観点から、選択肢の一つとして、自動車NOx・PM法の排出基準をクリアできる安価で有効な減少装置の開発を促進し、早期に実用化を図るとともに、猶予期間内に余裕をもって供給できるよう関係メーカーを指導し、使用過程車が引き続き使用可能となるよう措置を講じて頂きたい。

4.低硫黄軽油の供給及び価格の抑制について
 最新規制適合車及び排出ガス減少装置の早期供給に向け、全国的に低硫黄軽油が供給できるよう早急に石油メーカー等を指導するとともに、硫黄分脱硫によるコストアップは税制等によって抑制し、現行価格以下となるよう措置を講じて頂きたい。

5.最新規制適合車の代替え等に係る融資等の支援策について
 トラック事業は、今日の厳しい経営環境を反映して、経営不振(赤字)の企業が多く、信用保証協会の保証が得られないもの、または既に融資限度額を借り入れ、新たな融資が受けられないもの等、資金調達に窮している現状にあります。
 従って、猶予期間経過後の車両の買い換え、または排出ガス減少装置並びに低公害車の導入にあたり、是非とも次の支援策を講じて頂きたい。
1) 猶予期間経過後の車両及び排出ガス減少装置の購入費の補助と税制上の優遇措置
2) 購入資金の特別枠による無利子、または低利な融資措置
3) 融資に対する信用保証協会の無担保保証の措置
4) 低公害車の導入に対する自動車取得税、自動車税の免除または軽減措置

6.関係自治体の条例と自動車NOx・PM法との整合性につい て
 平成15年10月に施行される条例の車種規制によって、最新規制適合車への買い換え、または知事が指定する粒子状物質減少装置を装着するか、何れかの選択を迫られ、負担軽減のため当該減少装置を装着したとしても僅かな期間で自動車NOx・PM法の排出基準に適合しないものとして、規制適合車に買い換えなければなりません。
 また、特に自動車NOx・PM法の車種規制の施行日との関係において、本法の適用を先に受ける車両があるなど、極めて煩雑で不合理であると困惑しており、国と関係自治体との規制に対する整合性を図って頂きたい。