年 頭 所 感 

 新年あけましておめでとうございます。
 平成二十一年の新春を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
さて、昨年を振り返りますと、前半は実体経済とかけ離れた原油価格の異常な高騰が続いた一方、後半はアメリカのサブプライムローンの破綻に端を発した世界的な金融危機が我が国経済にも大きな影響を及ぼし、輸出、生産ともに急降下して、百年に1度とも言われるような波乱の中で推移した年でした。
 トラック業界においても、異常に高騰する燃料高により、多くの事業者が事業存廃の危機的状況にまで追い込まれました。
 このような状況に対して、国においても「トラック産業の大幅なコスト増を放置し適切な運賃転嫁が進まない場合はわが国の物流基盤が維持できなくなる恐れがある」との認識の下、3月に国土交通省と公正取引委員会の連名による「軽油価格高騰に対処するための緊急措置」が打ち出され、「燃料サーチャージ緊急ガイドライン」や「下請・荷主適正取引推進ガイドライン」をはじめ、荷主団体等への協力要請、独禁法・下請法の取締強化などの運賃転嫁促進策が講じられました。
 さらに、補正予算により、中小事業者に対して「中小トラック事業者構造改善実証実験事業」などの諸対策が打ち出されたところです。
 私は昨年「安全・環境問題への対応」、「適正運賃の収受」、そして「社会保険の未加入問題」の三点を重点目標として掲げ、その取組みは協会会員各位のご理解、ご協力の下、一定程度の成果が得られたものと考えています。
 今年は、特に、現下の経済状況等を鑑み、「安全・環境問題への対応」と原価意識の向上を図り「効率的なトラック事業経営への対応」の二点を重点施策として取組みます。
 特に会員事業者の交通事故を三年間で半減する目標については、今年が最終年になります。お陰様で会員事業者の皆様のご理解の下、ドライブレコーダーの導入も順調に進んでおり、今年も協会の補助はもちろんのこと東京都の補助も昨年同様継続されるものと思料されます。
 また、事故件数も半減には達しないものの大きく減少してきており、その効果は如実に現われてきています。是非ともドライブレコーダーの導入促進を図り、「自分のため」、「世のため」、「人のため」に交通事故半減の目標を達成して、東京都トラック運送事業者の意地と誇りを大いにアピールしましょう。
 また、これら取組みは、事故の減少は勿論のこと、消費燃料の効率化にも大いに寄与して環境面でも大きな成果を上げていることは当協会が推進している「グリーン・エコプロジェクト事業」でも立証済みであります。皆様のさらなるご理解を改めてお願いいたします。

 次に、原価意識の向上を図り、「効率的なトラック事業経営への対応」についてであります。
 現下の経済状況は未曾有の危機的状況にあって、経営環境は大変厳しくなるものと考えています。このような中にあっては、それぞれの会社の経営環境を踏まえ、しっかりしたキャッシュフローを確立して資金流動の円滑化を図っていくとともに、より効率的な事業運営を行っていくことが肝要であります。
 特に、「原価意識の向上」と「車両運用の効率化」は極めて重要な問題です。
 厳しい経営環境の中で生き残るためには、1台当たりの生産性を上げることが必要で、そのためには、運送原価を的確に把握していくとともに、余剰車両の効率化等、「車両運用の効率化」を図ることは必須であります。
 この度、誰でも簡単に操作のできる「武田式原価計算ソフト」が開発されましたので、これを購入して会員事業者の皆様に配布し、各会社の1台当たり生産性の向上を図り経営改善に資することとしています。
 この他、「さらなる環境問題への対応」「コンプライアンスの徹底」等、推進すべき課題は山積していますが、このような諸課題の克服とともに、今後の業界の持続的発展に向けて、本年も全力を尽くして参りますので、関係各位の一層のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。
 最後になりますが、本年の皆々様のご健勝ご多幸を心よりお祈り申し上げ新年のご挨拶と致します。

平成二十一年 元旦
 社団法人東京都トラック協会
      会長 星 野 良 三