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2014:規制・制度

運送取引適正化へ書面化

 国土交通省は2014(平成26)年4月1日、適正なトラック運送取引を確保するための取引条件の書面化に向けて、貨物自動車運送事業輸送安全規則(省令)改正や「トラック運送業における書面化推進ガイドライン」制定、標準貨物自動車運送約款改正、および関係通達の発出など一連の制度改正を施行しました。
 トラック業界が現実的な対応を求めていたことを踏まえ、省令ではトラック運送事業者に対して適正取引の確保を努力義務とするにとどめ、書面化についてはガイドラインを定めて、これに基づき推進していくことになりました。
 省令改正では、①運送条件が明確でない運送の引き受け、②運送の直前もしくは開始以降の運送条件の変更、③運送契約によらない附帯業務の実施に起因する運転者の過労運転または過積載による運送――といった輸送の安全を阻害する行為を防止するため、トラック運送事業者に対し、荷主と協力して「適正な取引の確保に努めなければならない」と努力義務を課しました。
 その上で、新たに「トラック運送業における書面化推進ガイドライン」を制定し、運送業務、附帯業務、運賃・料金などの重要事項について、荷主、元請事業者、貨物利用運送事業者とトラック運送事業者の間で書面により共有するためのルールを定めました。

荷主の運送状発出を原則化

 書面化についての一連の制度改正のうち、標準運送約款改正では荷主、元請事業者、利用運送事業者からの運送状発出を原則化したほか、附帯業務の内容について「トラック運送事業に附帯して一定の時間、機能、機器等を必要とする業務」と明確化しました。また、手待ち時間を有料化する「車両留置料」を新設し、別途、料金が発生する旨を明記しました。
 国土交通省は、1月22日付で日本経済団体連合会など経済団体、利用運送事業者団体、全日本トラック協会に文書を発出し、安全阻害行為の防止、書面化の推進などへの協力を求めました。
 通達の別紙には、荷主などの行為がトラック運送事業者の安全運行を阻害した、またはそのおそれがある事例として、非合理的な到着時間の指定、やむを得ない遅延に対するペナルティの設定、貨物量に対して積載量の少ない車両指定、契約にない附帯作業など、具体的な事例を明記しました。

荷主勧告、発動しやすく

 国土交通省は2014(平成26)年4月1日、貨物自動車運送事業法に基づく荷主勧告制度の運用通達を改正・施行しました。
 荷主勧告制度はこれまで、過去3年以内に「警告的内容の協力要請書」の発出実績が必要であるなど、発動要件が厳格なため、これまで一度も発動されたことがありませんでした。このため、「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」の有識者による作業部会で適時・的確な発動が困難な状況にあると指摘されたことから、見直すことにしたものです。
 トラック運送事業者の違反が、主として荷主の行為に起因するものと認められる場合は、協力要請書の発出実績がなくても発動できるようにしたほか、荷主勧告の対象となるトラック事業者の違反として、これまでは過積載運行、過労運転防止違反、最高速度違反のみでしたが、荷主勧告の対象となる行為の重点的類型を明記しました。
 具体的には、荷主が、実運送事業者に対する優越的地位や継続的な取引関係を利用して、①非合理的な到着時間の設定、②やむを得ない遅延に対するペナルティの設定、③積み込み前に貨物量を増やすような急な依頼、④荷主管理の荷捌き場で、手待ち時間を恒常的に発生させているにもかかわらず、実運送事業者の要請に対し通常行われるべき改善措置を行わない――この4つの類型を定めました。つまり、荷主の庭先で手待ち時間の発生を放置しているような荷主に対して、勧告できるようにしました。

参入時基準を強化

 国土交通省は2013(平成25)年12月1日、トラック運送事業の新規許可申請時に必要となる資金計画と損害賠償能力の基準を強化し、施行しました。事業の安全性、健全性を向上させることが目的です。
 資金計画については、従来、自己資金が所要資金の2分の1以上あることを求めていましたが、所要資金の全額を確保するように基準を引き上げました。資金の調達方法については、貸借対照表上の資産の部の「流動資産」で審査し、金融機関の残高証明などで確認することにしました。
 損害賠償能力については、事業者が加入すべき任意保険などの保険金額基準を引き上げました。これまでは保険金額を被害者1人につき「5,000万円以上」としていましたが、これを「無制限」に引き上げました。
 このほか、2013年5月1日には、車両5台未満の事業者への運行管理者選任義務付け、新規参入事業者に対する法令試験の強化、および運行管理体制の確認強化を施行しました。
 一方、中小のトラック運送事業者にとって、深夜・早朝時間帯の点呼が大きな負担となっていることから、点呼の受委託制度(共同点呼)を導入し、2013年11月1日から施行しました。

監査と処分、悪質事業者に重点化

 国土交通省は2013(平成25)年9月17日、バス・タクシー・トラック事業者に対する監査方針、行政処分などの基準に関する通達を改正すると発表しました。監査方針は同年10月1日から、処分基準は11月1日から施行しました。処分基準に関する改正のうち、悪質・重大違反の厳罰化については、2014(平成26)年1月1日から適用しました。
 監査と処分基準などの改正は、2012(平成24)年4月に発生した高速ツアーバス事故を受けた措置で、監査方針については、重大かつ悪質な法令違反の疑いのある事業者に対して優先的に監査を実施することとし、そのために各種通報や法令違反歴をもとに対象事業者のリストを整備し、監査することにしました。
 行政処分基準についても、悪質・重大違反に対する処分を厳格化しました。運行管理者および整備管理者未選任、全運転者に対する点呼未実施については、即時30日間の事業停止処分を課すことにしたほか、監査拒否・虚偽の陳述、名義貸し・事業の貸し渡し、乗務時間基準に著しく違反、全車両の定期点検整備未実施についても30日間の事業停止処分としました。事業停止後も法令違反が改善されない場合は、許可取消処分とすることにしました。
 一方、軽微な法令違反の対象を拡大し、記録の記載不備については、文書警告にとどめました。 運行管理者資格者証返納命令については厳格化し、運行管理者の名義貸し禁止を明示するなど、返納命令の適用事項を見直しました。

適正化機関による速報制度施行

 国土交通省は2013(平成25)年10月1日から、適正化事業実施機関(各都道府県トラック協会)の巡回指導の際に、悪質性の高い違反が疑われる営業所について、行政に速報する制度を施行しました。
 速報対象となるのは、①点呼を全く実施していないと疑われる営業所、②運行管理者または整備管理者が全く存在していないと疑われる営業所、③定期点検(3か月点検・12か月点検)を全く実施していないと疑われる営業所――で、適正化指導員が確認した場合、運輸支局に速報することになりました。

新たな有識者懇談会が発足

 国土交通省は2014(平成26)年3月12日、「トラック産業の健全化・活性化に向けた有識者懇談会」を設置し、初会合を開きました。「トラック産業の将来ビジョンに関する検討会」に設置されていた「トラック産業に係る取組作業部会」の後継組織で、トラック産業の諸課題を議論するため、新たに設置されたものです。
 健全化策のうち、参入時基準の強化については、強化後の状況を注視しつつ運用強化を検討することとされ、適正取引・安全阻害行為防止については、荷主などに対する事業者の交渉力強化を支援していくほか、書面化の普及・定着に向けたフォローアップを実施していくことになっています。また、利用運送事業者の安全阻害行為への対応についても検討していく方針です。
 また、安全性優良事業所(Gマーク事業所)へのインセンティブとして、国の表彰制度を創設することを決め、Gマークを10年以上連続して取得している事業所に対して、2014年度から運輸支局長表彰を実施することになりました。
 さらに、適正化事業実施機関による速報制度については、2013(平成25)年10月から12月までの3か月間の速報事業者数が50社、違反件数は73件ですが、このうち車両数10台未満の事業者が44社、66件とおよそ9割を占めていることから、今後、小規模事業者の効果的な指導・監査に向けた対策を検討することにしています。
 トラック産業の活性化策としては、ドライバーの確保・育成策が検討され、ドライバーの地位向上や、キャリアアップに資する公的な資格制度として「トラックマスター」認定制度が提案されています。

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